ラングドック

2013/04/23

languedoc

そもそもラングドックという言葉は地方の名前を指し示す一方で、この地方で話されていることばである「オック語(Langue d’Oc)」の意味も持ちます。
11-13世紀にかけて、南フランスのトゥルバドゥール(吟遊詩人)達は、当時オフィシャルな言語であったラテン語以外のことばで初めて恋や騎士道を詠いました。そのときに使われたのがオック語(Ocはオック語で「Oui=はい」を意味する)で、当時は後にフランス語になるオイル語に対抗する威勢をもっていたのです。
13世紀以降この地方はフランス王国に統治されるようになりましたが、革命が起こるまで、オック語はとても常用的に使われていました。しかし革命後の言語統制により話せる人がどんどん少なくなりました。しかしながら、ラングドックを愛する作家たちによる素晴らしいオック語の作品や、オック語の響きを持つたくさんの村々(Fa, Oupida, Cascastel, Cucugnan, Villemoustaussou…)、またMas Cal Demoura, Borie la Vitarèleなど、数々のドメーヌの名前がこの言葉の痕跡を残しています。

ラングドックの主要都市の一つ、エロー県の県庁所在地のモンペリエは、Dis-Export代表パルノ・ルカの出身地です。人口は約25万人に上りフランスで8番目に大きい町です。ここにはかつてフランソワ・ラブレーも学んだ、700年以上の歴史を誇るヨーロッパ最古の大学の医学部があります。もう一人のモンペリエ大学で学んだ有名人と言えばノストラダムスですが、彼はこの医学部を追放されています!実はノストラダムスは医学者であると同時に薬剤師でもあり、当時はこの二つの学問は相容れない存在だったのです。
ラングドック地方は地中海に面し、気候は典型的な地中海性気候のため大変心地良く、夏は暑く乾燥し、冬は穏やかです。有機栽培を取り入れやすい土壌と環境に恵まれているため、ビオに転向中の農家もどんどん増えており、現在フランスの有機栽培畑全体の28%はラングドックの畑が占めています。
ご承知の様に、この気候とローマ時代に造られたポン・デュ・ガールやニームの円形競技場、中世時代のカルカッソンヌのシテやカタリ派の城や多くの僧院など、数々の歴史的建造物により、ラングドック地方は絶好の観光地と言える地方です。また、この地理的条件によって高品質の食材も豊かで、地中海沿岸から山すそまで幅広い種類のものが存在します。地中海にはには牡蠣やムール貝、あさり、はまぐり、海老などの豊富な魚介類や、鱸や鯛、舌平目、赤マグロ、鰻など多種の魚がいます。
山には栗やキノコ類が育ち、カマルグという湿地帯では塩や米が生産されています。そして平地では、多種のフルーツや野菜に加え、様々な種類の地方料理に必要不可欠なタイムやローズマリー、バジル、ハッカ、ローリエなどのハーブ類も多く見受けられます。
ラングドックの美味しい地方料理は多種多様です。カステルノダリーやカルカッソンヌのカスレ、セートのティエル(魚介の入ったトマトソースのパイのような物)、グロ・デュ・ロワの闘牛の煮込み料理にはカマルグのご飯を添えて。またセヴェンヌ山脈ではヤギのチーズや羊のチーズが作られ、ブジグでは牡蠣が有名です。
味わい深く、同時に体にも良い南フランスの郷土料理。この地方の人々にとって、食事の時間は大切なひとときです。そして、食事の時間をさらに豊かにするワインが各地方で造られています。今日、ラングドック地方は赤、白、ロゼワイン、スパークリングワイン、甘口ワインと大変幅広い種類のワインを作る、世界でも最も広いワイン生産地の一つです。
これから、ラングドック地方をはじめフランスの様々なワイン、そしてそのワインを造る生産者達を紹介していきたいと思います。