収穫情報 – 2014 生産者からの声

2014/12/19

2年間にわたる収穫量の伸び悩みに苦しんだフランスのワイン生産地。今年は暖かな冬に始まり、比較的涼しい夏が続きました。局地的な天候不順により影響があったものの、天候は幾分安定したことでイタリア・スペインを抜き再び2014年、フランスは世界一の収穫量を得ることが出来ました。しかしながら、今年はラングドック・ルシヨンで特に異常気象が見られました。今回は生産者から届いた収穫情報をお伝えします。

Stéphanie Fumoso /Domaine du Gour de Chaulé (Gigondas)
「収穫は9月22日にスタートし10月3日に終了、ラングドックで見られたような大雨に襲われることはなく、にわか雨はあったものの、問題なく収穫を終えることができました。醸造中だけれど、なめらかなタンニンで、2010年のような長期熟成を要すタイプではなく比較的早いうちから楽しめるワインになりそう。まだ全てのワインをデキュヴァージュできていなくて、まだやることがたくさんあって大変!!
ちなみに、2010年のマグナムを友達の家で飲んだけれど、とてもよく熟成を遂げていて驚いたわ。とても良く開いていて、スパイスやカカオ、ユーカリの複雑なニュアンスがふんだん」
★2010年の次は、チャーミングなボリューム感のある2011年のジゴンダスが登場します。2010年とは全く異なる性格ですいすいと飲めてしまうような心地よいがとても存在感のあるジゴンダスです。お楽しみに!

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Sylvie Ellul / Domaine Ellul-Ferrières (Grès de Montpellier)
「雷など荒れた天気が続いていて、骨の折れる収穫を強いられたところが多かった。大雨の前に収穫を終えたシラーはとても良く熟しており25hl/haという低収量で、肉付きが良く滑らかで果実感豊か。グルナッシュも同様に素晴らしく2013年とほぼ同じ収量、ヴァンダンジュ・タルディヴのために少し畑に残しておいて、とてもよいコンディションで房が熟していったわ」

Sophie Guiraudon / Clos de l’Anhel (Corbières)
「私が経験したミレジムの中でもベストなヴィンテージの一つ!品質はもちろん、収穫の時のコンディションが最高で、凝縮感がありバランスが良かった。普段25-30hl/haのところ今年は平均38hl/haで質・量ともに満足しているわ」

Françoise Antech / Antech (Limoux)
「2014年は夏の天候が私たちを混乱させたわ。日照不足、雨による不安定な天気がもたらした不均質な熟度のブドウによって、私たちには収穫のタイミングをどうすべきか懸念が付きまとっていた。8月末から9月25日まで、4週間に渡る手作業のみの収穫、雨が降ることなく日中の暑さと夜間の涼しさで、品質にはとても満足しています。2013年のようにきれいな酸のしっかりのったヴィンテージで良いキュヴェができるはず!しかしながらモーザックの収穫量には少しがっかりしたわ。自然の女神さまは今年、ラングドックの生産地には寛容でなかった・・・来年はもう少し量的に安定すると良いのだけれど。」

Laurent Maynadier / Ch. Champ des Soeurs (Fitou)
「今年は本当に特別な年だった・・・夏がぱっとしなくて、白ワインの酸は普段より割と強めになった。でも9月の初めから、暑さがやっと戻ってきてアロマや色素などフェノール類の熟成を促してくれたんだ」

Etienne Loew / Alsace (Westhoffen)
アルザスでは元々日本の種であるSuzukiiという蜂がブドウを食い荒らしたことで収穫量が減ったというニュースがありました。ローヴでもそのSuzukiiによる被害が夏頃から見られており、特にゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、ピノ・ノワールが影響を受けたとのこと。「でもすべて失ったわけではないから!」といつもながらポジティヴなエティエンヌ。今年はやはりここでも特別な年となったようで、暖かな冬と春がもたらした早い開花によって、比較的セパージュ・テロワールごとの熟すスピードが似通ってしまい、ピークが重なってしまったことから一斉に収穫をすることとなり、今年は収穫チームを増やさざるを得なかったそう。9月末から始まった収穫ですが好天に恵まれ順調に進み、良いブドウをしっかり選別することで素晴らしいものになりそうです!

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Jacques Sire / Domaine des Schistes (Estagel / Côtes du Roussillon Villages)
「ヴィンテージごとにそれぞれ違うのはもちろんなんだけれど、今年は”気まぐれ、いつもと逆、とかクラシックな年だけれど特異な年”と言える。気候的には、かなり極端な年だった:夏は涼しく湿気が高く、秋は驚くほどの暑さに見舞われた。暑さはブドウの成長を助けてくれてよかったのだけど、湿気の多い時期、ヴィニュロンはウドンコ病やベト病と向かい合わなくちゃならない。だからブドウ畑にちょくちょく足を運んだんだ。ドメーヌでは今ビオロジックを実践しているから、化学薬品は使わず、ボルドー液でこまめに対策を行った。
収穫の期間、雷の影響を受けることがなかったし、収量は35hl/haと平均的。白・ロゼはフローラルで比較的酸がしっかりしていて、赤はきれいなフルーツ感と柔らかなタンニンで、今のところ2013年に似た味わい。リスクは伴うけれど本物を求め、これからは赤ワインに全て自然酵母を使用してやっていく。ヴァン・ドゥー・ナチュレルは10/15頃に収穫し、しっかりと熟した健康なブドウだけを注意して選別した」

Isabelle & Vincent Goumard / Mas Cal Demoura (Terrasses du Larzac)
「我々の記憶に残るだろう、やっかいなヴィンテージとなった2014年。暖冬で普段より半分の雨しか降らず、開花が早まったけれど水不足のため成長が遅れた(5月の終わりに観測した土壌の水分量は、普段の8月の水分量と同じくらいになってしまった!)。夏は涼しく、雨がち、鬼のような9月は普段100ミリのところ350ミリの降雨があり、我々にはいつ収穫を始めるべきか、ストレスがつきまとった。幸い、ラングドック北部を襲った大雨には属さない地域にあり大きな影響を受けなかったものの、パーセルごとの状態を確認しながらの収穫の見極めは大切だったよ。ドメーヌのパッションを背負うチームが休みなく働いてくれたおかげで、結果に満足している!そして収穫したブドウを”尊重”するためにもいろいろな取り組みを行っている。2008年から取り入れた選果台、そして2010年から採用した蠕動(ぜんどう)ポンプ、今年からより大きなケースでの収穫(ブドウが潰れることなく最良のコンディションが保てる)、そしてエレベーターコンベア、収穫後のブドウの受け入れを完全にカバーをかけた状態にして雨や日照を遮る取組など・・・
そんな苦労や取組も功を奏し、今年の展開からは考えられないほどのフィネスと美しいフルーツ感を持ったワインが出来た!
今年はとりわけ、AOCテラス・デュ・ラルザックが承認されたことがうれしい出来事だった。これは我々生産者の仕事、そしてワインの品質が認められたということの証だね」

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自然がもたらす天候に生産者は太刀打ちできませんが、より丹念な手入れや観察、収穫の見極め、そして収穫時の選別、選果や醸造方法の考察などいかにそのヴィンテージのブドウと向き合ったかで結果はより良いものになるんだと教えてくれるレポートでした。私たちは来年も生産者の活動を応援し続けていきます!