Domaine le Sang des Cailloux 収穫写真

2015/08/28

8月25日に白ブドウから収穫をスタートした、ヴァケラスのドメーヌ・ル・サン・デ・カイユから写真が届きました。
腐敗ブドウなどはなく、美しくよく熟したブドウばかり。ヴェルマンチーノ(ロール)は大粒で甘く、クレレット・ローズは酸がしっかりあります。
小さな区画に7-8種類の品種が植えられています。収穫量は30hl/ha を超えないだろう、との予測です。
午前中に収穫されたぶどうはすぐに空気圧圧縮機でプレスされ、涼しいカーブ内でデブルバージュを経て、樽へ移し変えられます。

SDC - clairette rose
↑クレレット・ローズ

SDC - Serge
↑写真嫌いなセルジュ・フェリグール・・・

SDC 2015 - MAGNIFIQUE VERMENTINO
↑素晴らしいコンディションのヴェルメンティーノ

SDC - Vdge
↑セルジュの娘、フロレトそして彼女の息子さんたちも参加でのファミリー収穫です。

2015.7.27 Domaine Delesvaux訪問 テイスティング

2015/08/28

テイスティングさせてもらったのは新しいヴィンテージ2013と2014。

「2014年は、やっと望んでいたものが出来た。何と言っても沢山の日照があったから。それとは逆に、2012、2013年は日照にかけてしまっていた。
私たちは常に良いブドウしか収穫しないから、基準に満たないブドウは畑に残すという選択をするの。
2012年はカベルネ・フランを一部畑に残さざるを得なかったし、2012、そして2013年のシュナン・ブランはアルコール度数が上がらず、セレクション・グラン・ノーブルを造ることが出来なかった。
だから、フイユ・ドールとコトー・デュ・レイヨン・パスリエ(貴腐のつかない段階で収穫する)のシュナンを収穫して、残りは結局畑に残ったままだったわ。満足いかないものを収穫して、補糖して、
その他いろんなものを足してまでワインを造るつもりはないわ!でも2012、2013が良くないというわけではなく、こういう年は少し最初閉じ気味になるけれど時間が経つうちに開いてくるよ」。

その通り、酸がいくぶん強い2013年はだんだんと柔らかくなってきています。

Anjou Le Roc 2014
今年5月に瓶詰、柔らかくフルーティーな果実味。いやらしさのない心地よいカベルネ・フランの青みのある香り。2012年のロックを凝縮したような優しさのあるスタイル。

Anjou Montee de l’Epine 2014
同じく今年5月の瓶詰。心地よいミディアムボディ、ピュアなフルーツの甘さが感じられる見事な出来栄え。

赤ワインは100%除梗し低温での発酵(最高22度まで)という手法ですが、マセラシオン・カルボニックにも挑戦した時期があったそうです。
「でも茎の青っぽさが出てしまうから、やめたんだ」とフィリップ。「もうほとんどの手法は試したよ、その結果今のやり方にたどり着いたんだよ」

Anjou Feuille d’Or 2013
2013年10月収穫、残糖ゼロ、「2013は酸が強かったのでマロラクティック発酵をしているので少しブリオッシュっぽさが感じられるでしょ」とフィリップ。
醸造と熟成はバリックで1年間、そしてボトル内で半年熟成させ出荷。

Anjou Feuille d’Or 2014
樽からのサンプル、2015年9月の花の日(ビオディナミカレンダー)に瓶詰予定。
すでに2014年らしいフルーティーな柔らかさが感じられ期待大。

★ちなみに、ドゥレヴォーでは新樽は使用していないので醸造と熟成に使用する樽は、ソーテルヌのラ・トゥール・ブランシュのお下がりの樽を購入しています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
Coteaux du Layon Passerille 2013

Guiberderie+Pavillonの区画の貴腐のついていない段階での遅摘み。ピュアなフルーツ感ときれいな酸、2013年は特に甘酸っぱさが感じられます。
(このキュヴェは通常80-100gの残糖、フレッシュなコトー・デュ・レイヨンとして人気があります)

Coteaux du Layon Le Clos 2011
130gの残糖分、遅摘50%+ボトリティス50%のキュヴェ。バリックで半年間熟成。
このワインを飲みながら、彼らが今年参加した”世界の偉大な甘口ワイン”イベントの話題が上がります。イケムやド・ファルグ、トカイ、アイスワインなど錚々たる
顔ぶれの中でも、ドゥレヴォーのレイヨンはかなり評価が高かったとのことで、レイヨンの良さについて彼らに尋ねたところ「やはりそれは、酸の存在でしょう!」との答え。
「イケムもこのワインと同じ、130gの残糖分があるけれど、圧倒的にこのル・クロの方が酸度は高く、感覚が呼び覚まされる。つまり同じ残糖分があっても、酸がより強いことで
重々しい感じにならないというのが、レイヨンの良さなんだよ!」

ドゥレヴォーのワインを飲んで常に感じるのは、愛情を注いで造られたブドウの純粋な味わいです。そして醸造中のSO2は無添加、自然酵母のみでの醸造を行っています。
ビオディナミの調合剤は、知り合いの有機農家から分けてもらったものを仲間と手作りしているほか、SO2の原料にもこだわっており、火山由来のものを購入しています。
ルネッサンスの仲間とまとめて購入することによって、比較的安く手に入れることができるんだそうです。
(SO2には石油由来の安価なものも使われていると知り、ゾッとしてしまいました)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

カーヴの隣には、ブドウ畑と同じ調合剤を使い育てられているビオディナミの家庭菜園があります。
沢山の種類のトマトや季節の野菜が健康に育っています。頂いたトマトの素朴な美味しさが記憶にしっかりと刻まれました。

帰り際、カトリーヌはこう呟きました、「地球全体でのビオの面積は、まだ5%にしか満たないの。まだまだビオの比率を上げていく必要が私たちにはあるわ」

ドメーヌ・フィリップ・ドゥレヴォー訪問 2015.7.27 畑の様子

2015/08/28

7月末、ロワール、コトー・デュ・レイヨンとアンジェの生産者、フィリップ・ドゥレヴォーのドメーヌを訪問しました。
7月頭から、連日30度前後の日々が続き、暑さのおかげで病気の被害もなくブドウは順調に成長しています。今後大きな天候の変化がない限り収穫は早くなり、秋の雨の前に収穫することが出来るので好都合だそう。開花時の天候もパーフェクトだった!と嬉しそうなフィリップ・ドゥレヴォー。

奥様のカトリーヌによれば、ビオディナミカレンダーでは前々から2015年の酷暑の予想がされていたのだそう!
「雨は今日みたいに少し降っても、ブドウの喉の渇きを潤すほどにはならない」と嘆く彼女。

高台にあるブドウ畑は早朝から夕方までしっかりと陽が当たり、北側にあるシストの石壁が冷たい北風を遮ります。冬にはこのクロ(石壁)が蓄熱し夜間も熱を放出する大切な役割を果たすのです。この石壁は100年以上も前からここにあるのだそうで、カトリーヌはこの壁が大好きなんだと言います。訪問した日も強い風が吹いていて、カトリーヌがこのリュー・ディ(ラ・エ・ロング / La Haie Long)について説明してくれます。「このあたりは昔から風の強い場所で住民たちは風よけのために植物を植えたので、”長い生垣”という名前が付いているの」
そして壁づたいに食用のブドウや洋梨、桑の実、マルメロ、ノワゼットなど様々な植物が育てられています。ここへやってくる鳥のためにプリュネル(リンボク)も育てています。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今年は植えられてまだ間もない、若木のカベルネ・ソーヴィニョンが元々シュナン・ブランが植えられていた場所(Clos du Pavillon)ですくすくと成長していました。土を柔らかく保つため、若木の周りはしっかりと耕されています。中にはゴロゴロとした石が多くある場所もありますが、そんな中でもしっかりと根を張っています。このカベルネ・ソーヴィニョンはいずれモンテ・ド・レピーヌにブレンドされる予定です。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

近くには大昔、火山だった場所があります。そしてここはやはりはるか昔に池のような場所だった時期がありました。
ドゥレヴォーの畑には、このテロワールのかつての様子を語る色々な石が転がっています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

OLYMPUS DIGITAL CAMERA


1.Phtanite…古い昔の小エビなどが堆積岩となったものだそう・・・
2.Spilite…ミネラルを多く含んだ石のようです
3.Schiste Brioverien…何億年も前のシスト・・・
4.Quartz…石英
5.Schiste Carbonifere (Schistes Ardoisier)…石炭を含むシスト(スレート状シスト)
6.Schiste Greseux (Micaschiste)…砂岩質のシスト(雲母片岩)
7.Charbon…石炭
8.Poudingues…プーダング(以前の訪問レポートをご参考ください)

色々な石を、サンプルでいただいてきました。フィリップはとても鉱物に詳しく、尋ねてみると昔親戚を訪れてアルプスによく行っていたときに石が大好きになって勉強していたのだそうです。

フイユ・ドール(シュナン・ブラン、ドメーヌの唯一の辛口白ワイン)の区画では、今年からロニャージュ(摘心)する畝としない畝を一列ごとに作って実験を行っています。ロニャージュせずに葉を誘因して針金に巻きつけています。
「ブルゴーニュのラルー・ビーズ・ルロワがやっているのと同じ方法、ブドウにより凝縮感を出すためにやってみている。ロニャージュしたブドウと比べどんな違いが出るのか、楽しみ」
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ここもClos du Pavillonの区画同様、石炭を含んだシスト土壌でとても色の黒い土です。
「6月15日からまとまった雨がないけれど、素晴らしいコンディション。黄色い葉もないし、ブドウはとても健全だよ。なんせ12メートルも根が這っているんだから」
「平均樹齢は30年弱、1株につき大体6つくらいの房が付いている、そんなに多くもないし、少なすぎるわけでもないからちょうど良いかな」

拡大し続けている病気フラヴェサンス・ドレへの対策として、そのウイルスを媒介する虫がいないかをテストする「バグ・キャッチャー」を数か所に設置しています。病気の広がりの深刻さから、公的機関により依頼を受けているのだそうです。
シノンで病気に侵された木が1株見つかったため、ニコラ・ジョリーを筆頭にルネッサンスの仲間で対策を取っています。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

カーヴへ戻る途中、黒い雲の下に向こう岸のサヴィニエールが見えます、「あらら~、サヴィ二エールはいつも雨が降っているよ!こちらよりとっても雨が多い場所なんだよね~、ヴィルジニー・ジョリーにはいつもそんな風に言ってからかうの」
と笑いながら話すカトリーヌ。

シャトー・マルティナ訪問 2015.7.19

2015/08/21

コート・ド・ブールの村は、一面ブドウ畑に覆われたメドックとは対照的で、緩やかな丘、森や木々とブドウ畑が織りなす美しい景色が広がります。パリから移住し1994年からワイン造りを始めたリュシーとステファン・ドーンズ夫妻のドメーヌ、シャトー・マルティナ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

マルティナはこの場所のリュー・ディーの名前で、以前の所有者も少量ながら瓶詰めをしていたそうですが、設備の面においては全くと言っていいほど整っていませんでした。それでもテロワールの素晴らしさに惹かれ、この土地を購入した彼ら。
ロワールから南西地方、プロヴァンスに至るまで様々な場所を探し回りこのコート・ド・ブールに決めたのです。

上級キュヴェの新樽100%で仕込んだエピキュリア、プルミエール・コート・ド・ブライのワインなども生産しているのですが、ステファンに会うたびに彼がいつも言うことは、「我々にとって一番大切なのはマルティナ。良いブドウを栽培して、このワインの品質を毎年良いものにしなければならない」ということ。気候が不安定だった2013年は結局生産をあきらめてしまったほどです。

今回の訪問では、2012ヴィンテージの赤と、少量のみしか造られない2014年のコート・ド・ブール・ブランを試飲しました。

・Ch. Martinat Côtes de Bourg Blanc 2014
Sauvignon Blanc 80% , Sauvignon Gris 20%
コート・ド・ブール全体での白用品種の面積はたった25haほどしかないそうですが、徐々にその評判は高まっています。このワインは100%ステンレスタンクで長い発酵期間を経ます。
とても爽やかな風味がありボリューム感もありますが、それをしつこくさせない青草や柑橘類のアロマがありとてもみずみずしい余韻です。

・Ch. Martinat Côtes de Bourg Rouge 2012
品種構成、醸造期間、新樽比率は例年と変わらず、Merlot 80%, Malbec 20% 15ヶ月樽熟成(3分の1新樽、Epicureaに使用する樽業者Nadalieのお下がりの樽に加えErmitage、Marsannayなどの樽)
2012年らしい若々しく濃い色合い。樽の風味がまだしっかりと残っている。柔らかでとても滑らかなアタック、伸びやかな酸を持ついきいきとしたフルーツ感。ほのかなスパイスとみずみずしい余韻が長く続く。
涼しかった2012年は収穫も遅めで、9月末から10月にかけての収穫。
ジロンド川からほど近いコート・ド・ブールは、常にこの川が気候を穏やかにしてくれるのだそうですが、2013年はそれでも思うようなワインにはならなかったそうです。

・Epicurea de Ch. Martinat 2012
Merlot 70%, Malbec 30% 新樽(Nadalie – 個性がはっきり出やすい)100%で18ヶ月間熟成
より黒紫がかった深い色合いでホットなアルコール感と強いタンニン。アルコール度数はマルティナと変わらず13.5%でも、こちらの方がとても強く感じます。
そしてフルーツの凝縮した甘さと酸のバランスが取れており、心地よい余韻です。
しかしこのワインはまだまだ飲みごろになるまでには時間を要しそうです。

試飲をしていて思ったことは、近年のマルティナの洗練されたスタイルがどこから来ているのかということでした。16年間雇っていたオノログを変え、醸造時の温度を上げすぎないようにしたり、ルモンタージュの回数を減らすなど、より穏やかな抽出方法に切り替えています。
栽培面においても、畝に草を生やすことでブドウの根と草の”競争”状態を造り出し、根をより下へと這わせるようにしています。ワインにミネラル感による複雑味が以前にもまして感じられました。

今後のマルティナのスタイルにますます期待をもたずにはいられない訪問となりました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA