ラングドック・ルシヨンで2016年初の収穫スタート

2016/08/31

今年もラングドック・ルシヨンで初となるミュスカの収穫がスタートしました。一番手は昨年同様、フィトゥーのローラン・メナディエ(シャン・デ・スール)です。何よりもフレッシュ感を白ワインに求めるローランは糖度・酸度・アロマのバランスを見極め、潜在アルコール11~11.5%で収穫。暑かった2015年に比べ5日遅く8月12日にスタートしましたが、近隣の生産者は8月中旬からのスタートのようです。水不足による影響で40-45hl/haほどの収量を予想していたもの、実際は35hl/ha程になりました。「それでも潟と海に近いこの区画は(海からの湿気があり)そこまでひどい水不足には陥っていない」とローラン。状況が厳しいのはグルナッシュで、冬から春の雨が少なかったこと、さらには開花がうまくいかず、北風と突然の暑さが花ぶるいと結実不良を招いてしまったことで、収穫量は40%減少の見込みです。
シャン・デ・スールは現在ビオロジックに転換中です。

CdS muscat 2016

こちらも地中海からほど近いカネ・アン・ルシヨンのドメーヌ、マス・ボーは8月中旬にミュスカの収穫をスタート。「暑く、トラモンタンヌ(この地域特有の北西から吹き付ける風)のなか、水不足に悩まされながらの収穫ですが、シャトーヌフのようなごろごろとした石(↓写真)が湿気を保ってくれており、他の生産者に比べまだ恵まれている」とのこと。一方、グルナッシュの収穫も控えていますがこちらも昨年よりも遅く、水不足と春の花ぶるいにより収穫量はどちらのドメーヌも残念ながら40%ほど減少する見込みです。

Mas Baux muscat 2016

Domaine Taupenot-Merme訪問 2016.7月

2016/08/09

Domaine Taupenot-Merme (Morey-Saint-Denis)

ブルゴーニュを襲った歴史的な春の霜害はトプノ・メルムの区画にも影響が及んでいました。本拠地のモレ・サン・ドニは被害が少なかったものの、ジュヴレ・シャンベルタン、シャンボール・ミュジニーに所有する区画は大きな損失となっています。
「普段は村単位での被害だったり、もしくは標高の低い場所に被害が及ぶのだけれど、今年はブルゴーニュ全体が標高の高い場所も含め霜にあたってしまったという点で、被害を受けた地域の大きさには皆驚いている」とヴィルジニー・トプノ。
春から初夏にかけて雨がちの天候が続き、畑には灰色カビ病が拡大。2001年から農薬を一切使用しないビオロジック栽培を貫いてきたものの、今年はそれ以来初めて農薬の使用に踏み切らずを得ませんでした。多くの生産者がこの病気について「今までに見たこともないほどの酷さ」と語るように、ビオを実践している多くの生産者が今年、ビオを止めざるを得ない状況に陥っています。

8月に入り天候も回復し、順調にブドウが成熟しているとのことですが今年の収穫量は僅かなものになりそうです。

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特級ミュジニーの隣、シャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ ラ・コンブ・ドルヴォーの畑 
– 数本の木にようやく1,2個の房が確認できるという厳しい状況(80%の損失)

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モレ・サン・ドニ・プルミエ・クリュ ラ・リオットの畑 (40%の損失)
– 1本の木にいくつか房が付いており、こちらは被害が少なめ
雨が多いため、畑を耕しても草がすぐに生えてきます。

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樽で熟成中の2015年と、瓶詰めされた2014年を試飲しました。

暑く乾燥した2015年は早熟なヴィンテージのため、9月8日から収穫をスタート。「豊かな味わいのヴィンテージ」とヴィルジニーが表現するように、どのワインもテロワールの個性を表しながら肉付きの良い果実感があります。
2014年は、暖かな春に続いた涼しい夏、9月に訪れた暑さがブドウの成熟を促し9月17日に収穫が始まりました。今では秀逸なヴィンテージとして評価される2014年、ヴィルジニーは「ジューシーでグルマンなヴィンテージ」と表現、純粋で清らかな果実感と美しい酸の伸びがありクラシックなブルゴーニュの良さが感じられます。

どのワインも素晴らしいのですが、モレ・サン・ドニ、ラ・コンブ・ドルヴォー(シャンボール1er)、レ・プリュリエ(ニュイ・サン・ジョルジュ1er)、マゾワイエール・シャンベルタンには凝縮したフルーツ感があります。彼女によれば、これらの区画のブドウは結実不良を起こしやすいため常にギュッとつまった果実の味わいが感じられるのです。
モレ・サン・ドニの官能的にすら感じる濃密で引き締まった味わいは、シャンボールやジュヴレに決して引けをとりません。ドメーヌでまず売り切れになるものは、まずモレ・サン・ドニからなのだそうです。

以前にも増して感じられる品の良さは、どこから来るのかヴィルジニーに尋ねてみました。
「ビオロジックによる栽培を続けてきたことで、ブドウの品質が向上していること、そして畑仕事もより綿密に行っているから」と彼女。
また、選果の質を高めるため収穫後の選果に微振動選果台を導入したことも更なる品質の向上に一役買っています。