フランソワーズ・アンテッシュ来日 2016.11月

2016/12/09

リムーの女性ワインメーカー、フランソワーズ・アンテッシュが来日しました。今回は彼女がリムーで初めて造ったというドザージュなしのキュヴェ、「ブリュット・ナチュール」を携えて自信満々の様子。ピュアでストレートな味わいで素材を生かした料理に合わせやすく多くのソムリエに人気の商品のようで、フランス国内でも大変成功しているとのことです。
(来年、みなさまにもご提供できるかもしれません!)

2015年新たに購入した標高450mの12ヘクタールのオセアニック(*)にある土地は、スパークリングワインに欠かせない酸ののったブドウを収穫できる、彼女が目指す理想の味わいには欠かすことのできない場所です。 
自社畑の多い早熟なメディタレネアン(*)からは豊かな酒質のワイン、20ほどの契約栽培農家を持つ標高の高いオート・ヴァレー(*)のブドウからは爽やかな味わいのブドウが収穫されます。シャンパーニュと同じく、これらの異なるテロワールの巧妙なブレンドによりブランケットやクレマン・ド・リムーが生まれるのです。自社畑からのブドウと買いブドウの比率はほぼ半々、自社畑ならびに契約農家の畑に対しても厳しい減農薬栽培で管理しておりブドウの品質は年を追うごとに上がっています。(アンテッシュは減農薬栽培を行うワイナリーに与えられる「テラ・ヴィティス」に認証されています)                            
フランソワーズは年を追うごとに他の生産者よりも収穫を早め酸を残すこと、そしてドザージュの量を少なくしてブドウ本来の味わいを追求し、年々その評価を高めています。現在世界中の星付きレストラン、アラン・デュカスやコンラッドなどで彼女のキュヴェが使用されています。
そしてアンテッシュのワイン造りのもう一つの特徴は、長めの熟成期間です。ブランケットの法定熟成期間は最低9か月間、そしてクレマンは12ヶ月間ですが、アンテッシュは最低2年間、プレスティージュ・キュヴェに至っては6年間という長い熟成期間を設けており、これが味わいの複雑性、そして滑らかな口当たりを生み出していることは間違いありません。
*リムーは大きく分けて4つのテロワール、メディタレネアン、オート・ヴァレ、オータン、オセアニックに分けられています。

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レストラン・プティ・ブドンさんにて

Domaine Daniel Crochet訪問 2016.7月

2016/12/09

寒く不安定な天候も、7月後半に入って日差しが痛いほどの暑さに見舞われるようになってきました。
ドメーヌ・ダニエル・クロシェはサンセールのビュエ(Bué)にあるドメーヌです。クロシェが付く名前はビュエの村にもいくつかあり、世界的に有名なフランソワ・クロシェはダニエルのお父さんのいとこにあたります。
彼が1996年にドメーヌを継ぎ、最近から頭角を現してきたこのドメーヌはフランスの専門誌ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス2014年度版でロワールの表紙を飾りました。世界最優秀ソムリエ、オリヴィエ・プシエは彼のワインに大きな注目を寄せており彼のワインを好んで良く飲み、アドバイスをくれることもしばしばあるのだそうです。
親類から借りている畑も含め所有する30の区画は合計10ha、ビュエだけではなくサンセール、シャヴィニョルに広がっており、テール・ブランシュと呼ばれる粘土石灰質土壌、そしてカイヨットと呼ばれる石がゴロゴロと転がる区画から構成されています。

今年、他のワイン産地と同じく春の霜、ベト病の被害がありますが甚大な被害には至っておらず「他の地域よりは恵まれている方だわ」と妻のヴェロニク。花ぶるいや結実不良などでやはり収穫量は多くはなさそうです。雨が多かったせいで草がたくさん生えてきて、除草作業に時間を取られてしまっています。ダニエルは除草剤を使わず、樹勢を抑える目的で草を生やす草生栽培を行っていますが、土が深い場所では草と根の”競争状態”を作り出しより深くまでブドウの根を張らせるため草を残します。一方、カイヨットなど表土が薄い場所では草を抜き取ってしまいます。

ドメーヌの誇りともいえる、サンセールでも特に有名な2つの区画に案内してもらいました。

プラント・デ・プレ (Planté des Près)・・・”グリオット”と呼ばれる粘土石灰質の畑。南向きの斜面になっており表土がとても薄い場所で、ここには1958年に植えられた古木があります。石灰の割合がとても多いため、ワインはとてもミネラリーで繊細、テロワールがしっかりと反映されます。1958年に植えられたヴィエイユ・ヴィーニュを含む0.27ヘクタール。ややきつい傾斜ですが、難なくトラクターを通せるよとダニエル。粘土石灰質(テール・ブランシュ)からは骨格のしっかりした長期熟成型のワインが出来上がると一般的に言われます。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

シェーヌ・マルシャン (Chêne Marchand)・・・サンセールを代表する畑で、ダニエルによれば25人の生産者が畑を所有しているのだそうです。写真のとおり、石がびっしりと敷き詰められた土壌。ここに3つの区画を所有していますが、キュヴェ・シェーヌ・マルシャンには樹齢が50年にもなる一番高樹齢のものを使用、また若いソーヴィニョンはキュヴェ・トラディションに、樹齢40年ほどのブドウはキュヴェ・プレスティージュに使われます。この石が転がるカイヨットの土壌からはアロマ豊かでフルーティー、比較的早くから開きやすいワインになると言われます。
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*その他の畑
醸造所のすぐ隣の畑。キュヴェ・トラディションに使われるソーヴィニョン・ブランの畑(Venoizeと呼ばれる区画)。テールブランシュの畑ですが粘土が多く土が深いため、草がのこされています。春の寒さで結実不良を起こしているブドウが多く見られます。

ビュエでもサンセールにより近い場所(Les Dis Saulesと呼ばれる区画)。ピノ・ノワールとソーヴィニョン・ブランがあります。こちらもテール・ブランシュで粘土分は高めです。均等にブドウが付いていて大変きれいです。
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ダニエルは、日が昇る方向のみ除葉し、西日が当たる方は葉を残すことでブドウが焼けてしまうのを防ぎます。また写真のように枝を長く剪定し、ブドウの実を落として間隔を広くとります。この方法は通常よりも時間のかかる作業ですが、防カビ剤や農薬を使わない栽培方法を取る限りは、空気が通り抜ける環境を造り出すことが大事なのです。

次のレポート、テイスティングへ続きます。

Domaine Daniel Crochet訪問 2016.7月②テイスティング

2016/12/09

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2014ヴィンテージと最新の2015ヴィンテージを試飲しました。

Sancerre Tradition Blanc 2015
カイヨットとテール・ブランシュの14の区画からのソーヴィニョン・ブランのブレンド。樹齢は約35年までのものを使います。
暑かった2015年はブドウが収穫前に乾燥してきてしまったほど水不足に見舞われましたが、8月の終わりに少し雨が降り、最終的には酸もしっかりあってバランスは良いとダニエル。
そんなヴィンテージにおいても、しっかりとフェノール類の成熟を待って収穫することが大切なのだそうです。
口当たりの丸み、柔らかさは2014年よりも際立っていますが中盤からミネラルのフレッシュ感があり余韻には爽やかさが持続します。

Sancerre Cuvée Prestige Blanc 2015
サンセールのグラン・クリュとも称えられるカイヨットのシェーヌ・マルシャンのブドウを含む3つの区画からのブレンド、樹齢もやや高く40年近いものです。
2015年らしい親しみやすい柔らかさを残しつつ、Tradition Blancに比べよりミネラル感が強くタイトな印象で、骨格もしっかりしています。

Sancerre Blanc Plante des Prés 2014
グリオットと呼ばれるもろい石灰質の南向きの斜面、ミネラル感がはっきりと出る土壌です。平均樹齢50年。
とても繊細な果実味、伸びやかな酸が特徴です。「2014年は水不足によるストレスがあまりなかったため、ブドウがじっくりと成熟することができた、そのため2014年は大変良いヴィンテージで長期熟成が期待できるものとなった。緊張感があり、ピュアなフルーツ感がしっかりと感じられる。ソーヴィニョン・ブランなどアロマティック品種とよばれるものは、このゆっくりとじっくりと成熟することがとても大切なんだよ」とダニエル。

Sancerre Rouge 2014
テール・ブランシュとキンメリジャンの7つの区画からのピノ・ノワール。樹齢約35年までのものを使用します。60%樽で1年間熟成。フローラルで赤い小さなフルーツの凝縮度豊かな香り。タンニン量が比較的多くややタイトな味わいですが、これから次第に調和が取れてくるでしょう。みずみずしく伸びやかなきれいな酸。

Sancerre Rouge Cuvée Prestige 2014
3つの区画に植えられているピノ・ノワールは樹齢50年以上のもの、これらはセレクション・マッサルによって増やした優良な苗木でダニエルは「タンニンの質がとても良い」と話します。
チャーミングなTradition Rougeに比べて、タンニンのきめ細やかさ、滑らかさが際立ち全体的に上品。ブルゴーニュの上質なピノ・ノワールに匹敵する、もしくはその上をゆくような見事な出来栄え。

★このピノ・ノワール・キュヴェ・プレスティージュ2014はフランスのワイン専門誌「ラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス」の2016年11月号「ピノ・ノワール特集」で表紙を飾り、もっともコストパフォーマンスの高いピノ・ノワールに選出されました。専門家たちがブラインドテイスティングで試飲を行い販売価格を想定するという試みでしたが、多くのブルゴーニュの主要アペラシオンからのピノ・ノワールが「やや高く値付けされている」と言われる一方で、このサンセールのピノ・ノワールは品質の割にとても価格が手ごろだということで「新たな発見」「衝撃の一本」と異例なまでに絶賛されました。(残念ながらドメーヌの在庫がなく、手に入れることができませんでしたが次ヴィンテージ2015にご期待ください!)