Domaine Daniel Crochet訪問 2016.7月

2016/12/09

寒く不安定な天候も、7月後半に入って日差しが痛いほどの暑さに見舞われるようになってきました。
ドメーヌ・ダニエル・クロシェはサンセールのビュエ(Bué)にあるドメーヌです。クロシェが付く名前はビュエの村にもいくつかあり、世界的に有名なフランソワ・クロシェはダニエルのお父さんのいとこにあたります。
彼が1996年にドメーヌを継ぎ、最近から頭角を現してきたこのドメーヌはフランスの専門誌ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス2014年度版でロワールの表紙を飾りました。世界最優秀ソムリエ、オリヴィエ・プシエは彼のワインに大きな注目を寄せており彼のワインを好んで良く飲み、アドバイスをくれることもしばしばあるのだそうです。
親類から借りている畑も含め所有する30の区画は合計10ha、ビュエだけではなくサンセール、シャヴィニョルに広がっており、テール・ブランシュと呼ばれる粘土石灰質土壌、そしてカイヨットと呼ばれる石がゴロゴロと転がる区画から構成されています。

今年、他のワイン産地と同じく春の霜、ベト病の被害がありますが甚大な被害には至っておらず「他の地域よりは恵まれている方だわ」と妻のヴェロニク。花ぶるいや結実不良などでやはり収穫量は多くはなさそうです。雨が多かったせいで草がたくさん生えてきて、除草作業に時間を取られてしまっています。ダニエルは除草剤を使わず、樹勢を抑える目的で草を生やす草生栽培を行っていますが、土が深い場所では草と根の”競争状態”を作り出しより深くまでブドウの根を張らせるため草を残します。一方、カイヨットなど表土が薄い場所では草を抜き取ってしまいます。

ドメーヌの誇りともいえる、サンセールでも特に有名な2つの区画に案内してもらいました。

プラント・デ・プレ (Planté des Près)・・・”グリオット”と呼ばれる粘土石灰質の畑。南向きの斜面になっており表土がとても薄い場所で、ここには1958年に植えられた古木があります。石灰の割合がとても多いため、ワインはとてもミネラリーで繊細、テロワールがしっかりと反映されます。1958年に植えられたヴィエイユ・ヴィーニュを含む0.27ヘクタール。ややきつい傾斜ですが、難なくトラクターを通せるよとダニエル。粘土石灰質(テール・ブランシュ)からは骨格のしっかりした長期熟成型のワインが出来上がると一般的に言われます。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

シェーヌ・マルシャン (Chêne Marchand)・・・サンセールを代表する畑で、ダニエルによれば25人の生産者が畑を所有しているのだそうです。写真のとおり、石がびっしりと敷き詰められた土壌。ここに3つの区画を所有していますが、キュヴェ・シェーヌ・マルシャンには樹齢が50年にもなる一番高樹齢のものを使用、また若いソーヴィニョンはキュヴェ・トラディションに、樹齢40年ほどのブドウはキュヴェ・プレスティージュに使われます。この石が転がるカイヨットの土壌からはアロマ豊かでフルーティー、比較的早くから開きやすいワインになると言われます。
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*その他の畑
醸造所のすぐ隣の畑。キュヴェ・トラディションに使われるソーヴィニョン・ブランの畑(Venoizeと呼ばれる区画)。テールブランシュの畑ですが粘土が多く土が深いため、草がのこされています。春の寒さで結実不良を起こしているブドウが多く見られます。

ビュエでもサンセールにより近い場所(Les Dis Saulesと呼ばれる区画)。ピノ・ノワールとソーヴィニョン・ブランがあります。こちらもテール・ブランシュで粘土分は高めです。均等にブドウが付いていて大変きれいです。
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ダニエルは、日が昇る方向のみ除葉し、西日が当たる方は葉を残すことでブドウが焼けてしまうのを防ぎます。また写真のように枝を長く剪定し、ブドウの実を落として間隔を広くとります。この方法は通常よりも時間のかかる作業ですが、防カビ剤や農薬を使わない栽培方法を取る限りは、空気が通り抜ける環境を造り出すことが大事なのです。

次のレポート、テイスティングへ続きます。