2016収穫情報 Mas Cal Demoura

2017/06/30

Mas Cal Demoura マス カル デムラ (Terrasses du Larzac)

イザベルとヴァンサン・グマールがマス・カル・デムラのワインを手掛けてから13回目となる2016年は挑戦の連続でした。
①3か月間雨が降らなかった:暖かく湿った冬と雨がちの春の影響で開花が早進みました。しかし夏は大変なもので7月半ばから9月中旬まで殆ど雨が降らず大変乾燥したのですが、幸運なのは夜間の涼しさがバランスのワインに欠かせない酸を賦与してくれたことです。
②3か月におよんだ収穫:8月22日、白ワイン用の品種からスタート。水不足の影響でブドウの成熟が早まり通常6週間かかるところを3週間で90%のブドウを収穫、殆ど休みなく収穫を続けました。
③タンク3つ分減:乾燥でブドウは大変健全、選果に時間を取られることなく収穫できたものの、水不足と春の寒さで花ぶるいが起き収穫量はマイナス22%減、畑によっては歴史的に少ない1ヘクタール当たり10ヘクトリットルという区画もありました。
(グルナッシュは特に減少した一方で、サンソーは通常の収穫量が確保できました)

畑では新しい記録が出来ました。春は草が見る見るうちに生えてしまい、その殆どを鋤で刈り取ったり、乾燥によって不均一についたブドウの実を調整するなど2015年に比べ50%以上も畑仕事に時間を取られたほか、新たに白用の品種も植樹しました。

終わってみればこの2016年は2010年のようなポテンシャルを備えていると感じています。乾燥によって開花から収穫までの期間が短くなったうえ、ブドウ自体も凝縮度が生まれビオロジックでの栽培のおかげで2010年よりも上品で焦点の定まった味わいで、これは私たちの今までの経験の積み重ねに起因するとも言えます。

Domaine Taupenot-Merme訪問 2016.7月

2016/08/09

Domaine Taupenot-Merme (Morey-Saint-Denis)

ブルゴーニュを襲った歴史的な春の霜害はトプノ・メルムの区画にも影響が及んでいました。本拠地のモレ・サン・ドニは被害が少なかったものの、ジュヴレ・シャンベルタン、シャンボール・ミュジニーに所有する区画は大きな損失となっています。
「普段は村単位での被害だったり、もしくは標高の低い場所に被害が及ぶのだけれど、今年はブルゴーニュ全体が標高の高い場所も含め霜にあたってしまったという点で、被害を受けた地域の大きさには皆驚いている」とヴィルジニー・トプノ。
春から初夏にかけて雨がちの天候が続き、畑には灰色カビ病が拡大。2001年から農薬を一切使用しないビオロジック栽培を貫いてきたものの、今年はそれ以来初めて農薬の使用に踏み切らずを得ませんでした。多くの生産者がこの病気について「今までに見たこともないほどの酷さ」と語るように、ビオを実践している多くの生産者が今年、ビオを止めざるを得ない状況に陥っています。

8月に入り天候も回復し、順調にブドウが成熟しているとのことですが今年の収穫量は僅かなものになりそうです。

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特級ミュジニーの隣、シャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ ラ・コンブ・ドルヴォーの畑 
– 数本の木にようやく1,2個の房が確認できるという厳しい状況(80%の損失)

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モレ・サン・ドニ・プルミエ・クリュ ラ・リオットの畑 (40%の損失)
– 1本の木にいくつか房が付いており、こちらは被害が少なめ
雨が多いため、畑を耕しても草がすぐに生えてきます。

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樽で熟成中の2015年と、瓶詰めされた2014年を試飲しました。

暑く乾燥した2015年は早熟なヴィンテージのため、9月8日から収穫をスタート。「豊かな味わいのヴィンテージ」とヴィルジニーが表現するように、どのワインもテロワールの個性を表しながら肉付きの良い果実感があります。
2014年は、暖かな春に続いた涼しい夏、9月に訪れた暑さがブドウの成熟を促し9月17日に収穫が始まりました。今では秀逸なヴィンテージとして評価される2014年、ヴィルジニーは「ジューシーでグルマンなヴィンテージ」と表現、純粋で清らかな果実感と美しい酸の伸びがありクラシックなブルゴーニュの良さが感じられます。

どのワインも素晴らしいのですが、モレ・サン・ドニ、ラ・コンブ・ドルヴォー(シャンボール1er)、レ・プリュリエ(ニュイ・サン・ジョルジュ1er)、マゾワイエール・シャンベルタンには凝縮したフルーツ感があります。彼女によれば、これらの区画のブドウは結実不良を起こしやすいため常にギュッとつまった果実の味わいが感じられるのです。
モレ・サン・ドニの官能的にすら感じる濃密で引き締まった味わいは、シャンボールやジュヴレに決して引けをとりません。ドメーヌでまず売り切れになるものは、まずモレ・サン・ドニからなのだそうです。

以前にも増して感じられる品の良さは、どこから来るのかヴィルジニーに尋ねてみました。
「ビオロジックによる栽培を続けてきたことで、ブドウの品質が向上していること、そして畑仕事もより綿密に行っているから」と彼女。
また、選果の質を高めるため収穫後の選果に微振動選果台を導入したことも更なる品質の向上に一役買っています。

メゾン・アンテッシュの2015年

2016/06/10

【ラングドック、リムーのメゾン・アンテッシュからの便り】

2013年、2014年に続き見事な収穫となったリムーのメゾン・アンテッシュの2015ヴィンテージ。誰もがフレッシュな快活さがストレートに感じられると話していますし、アロマの豊かさは特に際立って見事です。
ブドウの熟度がどんどんと上がり、急ぐように8月20日に収穫をスタートしました。メゾンにとって収穫は特別なもの。畑からセラーでの作業全てにおいて、これまで自分たちが日々積み上げてきたものに集中しなければならない、一つ一つが大切な作業です。9月15日までの27日の好天のなか、殆ど休むことなく収穫を行いました。そしてブレンドの段階でこのヴィンテージがいかに大きな可能性を秘めているのか確認することができました。

この10年間、アンテッシュではメゾンのスタイルを決定づける醸造技術の向上に目を向けてきましたが、さらなるフィネスとエレガンス追求するために畑の方にも目を向け、理想的な場所を探し続けていました。リムーとセピーとの間、標高400メートルの高地にブドウ畑を購入したのです。12ヘクタールの畑はピレネー山脈を向く粘土石灰質の南向き斜面です。高樹齢の木なので収量は少ないですが、凝縮したブドウを実らせます。まだまだここは実験の段階ですが、皆が大きな期待を寄せています。

2015年11月3日、メゾンを50年に渡り支え続けたフランソワーズ・アンテッシュの叔父ロジェ・アンテッシュがこの世を去りました。兄弟であるフランソワーズの父ジョルジュとは見事なコンビネーションで、メゾンの発展に大きな貢献をした人物です。
彼は企業家であり、自信家で頑固な人間でしたが常にオープンマインドでした。フランソワーズが社長に就任する意志を伝えた時には、すぐに彼女を支え、そしてアドバイスを与えてくれたのです。
アッサンブラージュ、展示会など、全ての大切な場面において、フランソワーズ、ジョルジュ、そしてロジェの3人が20年に渡り手を取り合って協力してきました。
彼のいない全ての作業は、何か寂しいですが悔やんではいません、彼の大きな笑顔とあたたかなアドバイスは、私たちに幸せをもたらしてくれたからです。

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マス・カル・デムラ 収穫情報2015

2015/11/16

イザベルとヴァンサン・グマールがジャン・ピエール・ジュリアン(マス・ジュリアンのオリヴィエ・ジュリアンの父)からドメーヌを受け継ぎ12回目となった2015年の収穫。天候の変動によって、その時々の適切な対応と自らへの問いかけが絶えなかったヴィンテージ。2004年から積み重ねてきた経験がものをいうのだと実感した年です。

「2014年よりも寒く乾燥した冬に始まった今年は、穏やかな気候で順調に開花、2014年の夏の終わりの大雨のおかげで土壌は水分をしっかりと蓄えていました。そのあと気候が急変し猛烈な水不足が襲い6月中旬から7月末までは雨が全く降らず異例の高温状態が続きました(しかし、矛盾したことに北の地域よりも気温はやや低めでした!)。幸いなことに8月は比較的涼しく、収穫は穏やかで乾燥した気候のもと8月18日にスタートし10月6日に終了するという、過去2番目に長い収穫期間となったのです。

時折、全てを失うのではないかという不安さえ持った今年ですが、チーム・マス・カル・デムラがこれまで、様々に表情を変えるヴィンテージで積み重ねてきたトライアル、そして選択、成功経験、さらには失敗、これらをチーム内で共有し適切な対応をすることで今年の成功へと導きました。今年は特に、水不足による悪影響が懸念されたため、グリーンハーベストをしっかりと行ったことが今年の成功の一番の鍵となりました。そしてこの作業が、結果的に収穫をもスムースに進めちょうど良い熟度のところでブドウを摘みとることを可能にしたのです。

今年からは幾つかのパーセルでビオディナミを始めたことに加え、全房発酵を取り入れ、発酵の期間も変えてみました。醸造は順調に進んでおり現在のところ2007や2010年を思わせるような素晴らしいヴィンテージになりそうです。白ワインはしっかりと酸がのっていて、かつ表情豊か。シュナン・ブランの奥行きは素晴らしく、とてもカタロニア的。赤ワインはバランスが良く深みがありエレガントでエネルギーに満ちています。どのセパージュもテロワールの表情をきれいに表現し、これからのブレンド作業には大きな期待が持てるものとなっています。

瓶詰めまでにはまだまだ長い時間を要しますが、今年フランスの殆どの地域はすでに伝説的なヴィンテージと囁かれています。私たちの感覚では2015年のラングドック地方はやや厳しい印象ですが、マス・カル・デムラのワインの状態を見ると大きな期待を持たずにはいられません!」

MCD-vdge 2015

収穫情報2015

2015/10/21

Champ des Soeurs (Fitou)・・・8月7日、フィトゥーで最初に収穫をスタートしたローラン・メナディエ。乾燥した暑い夏でしたが、春の終わりに降った100ミリほどの雨が夏の間の乾燥からブドウ畑を守る手助けとなったとローラン。2015ヴィンテージからミュスカは、リヴザルトのみならず辛口のIGP白ワインとしても登場予定となりました。1.5ヘクタールのミュスカの畑は、海風を受け彼が追い求める素晴らしいフレッシュ感が生まれます「アルコール12~12.5度で収穫をすることで、糖度、アルコールそしてアロマの表現が最高のバランスになるんだ」。今後コルビエールの白ワインは樽発酵によるキュヴェも造りはじめ、赤ワイン同様空気に触れさせながら醸造することで表現が豊かになると意欲を燃やしています。
イノシシによる被害、そして8月半ばに降った雹の影響で多少の選果は必要になりましたが大被害にはつながらず、収穫量・コンディションともに満足のいくものになりました。

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↑ フィトゥー最初の収穫とあってテレビのインタヴューを受けるローラン。
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Ch.Rives-Blanques (Limoux)・・・史上最もじめじめした3月、1900年以来最も暑かった7月。そして1950年以来最も早い収穫となった今年、リヴ・ブランクは9月5日にペイ・ドックから収穫をスタートしました。9月9日にはシャルドネの区画をスタートしましたが、ボトリティスの繁殖が進んだ区画もあったもののしっかりと選別を行いました。ブドウのコンディションは良好で、嵐の予報があったものの収穫中は大きな雨や風にあたることはなく9月14日にモーザック、そして翌15日にはシュナン・ブランの収穫を終えました。素早く、的確に収穫作業を進める齢70歳の兄弟、通称「フェラーリ・チーム」の2人が大活躍でその速さには誰も追いつけないのだそう。

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Domaine Loew (Alsace)・・・温かな冬と春の影響でブドウの成長が早く進み、6月には畑仕事に追われて忙しい日々を送っていたエティエンヌ・ローヴ。7月、8月には35~40℃の酷暑に見舞われ、若いブドウの木々にはたくさんの水をあげねばならないほど土壌が乾燥した状態になってしまいました(若木への灌漑は許可されています)。収穫の前には彼が予想していた以上に土壌が乾燥しきってしまい、ブドウの木々も水不足の状態に陥っていました。種までしっかりと熟したのを見極め、例年より3週間ほど早い9月16日にピノ・ノワールから収穫をスタート。10月にかけての忙しい収穫を経て摘み取ったブドウに大満足の様子のエティエンヌ。近年収穫が少なすぎて不可能だったセレクション・グラン・ノーブル、ヴァンダンジュ・タルディヴも今年は収穫できました。まだ全てが終わってはいませんが、とても良い結果に満足の様子です。

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Ch. Barbeiranne (Côtes de Provence)・・・暑く乾燥した夏を経て8月31日にスタートした収穫。早い収穫が予想されていましたが例年と比べさほど早くなったというわけでもありませんでした。ミストラル、そして暑さのおかげでブドウは健全に育ち大きな問題もなく成長することが出来た2015年。冬の間に土壌がしっかり水をため込んでいたおかげで、水不足に悩まされることもなく収穫したブドウのコンディションは見事です。収穫量は昨年に比べると多少落ちますが、ブドウはより凝縮感があってアロマ豊かで既に良い感触を持っています!

Barbeiranne vdge2015

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Domaine Regnard (Maranges)・・・他の地域同様に暑くブドウの成熟が進んだ年、見事な天候の下で9月5日より収穫がスタート。「暑さによる水不足の影響もありブドウの粒はやや小さめながら素晴らしい熟度!」とフロリアン・ルニャール。

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Domaine Morey Coffinet (Chassagne-Montrachet)・・・ブドウの均一な熟し方、健全さは2005年を思わせるようだと語っていたティボー・モレ。今年はドメーヌにとって重要な意味を持つ一年でもありました。長い間厳格なリュット・レゾネを行ってきましたが今年からビオロジック、そしてビオディナミによる栽培をスタートしたのです。9月1日からスタートしたピュリニー・モンラッシェ・レ・ピュセルでの収穫、翌日にシャサーニュ・モンラッシェ、モルジョとクロ・サン・ジャンのピノ・ノワール、続いてラ・ロマネへと続きました。9月4日に収穫したブルゴーニュ・ピノ・ノワールは「選果台に乗せみても、選果の必要が無いほどブドウは完璧!」

MC vdge2015
↑ 見事なブルゴーニュ・ピノノワールのブドウ

MC silice de corne 2015
↑ ビオディナミ501番の調合剤をバタール・モンラッシェで散布(6月)

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Domaine Taupenot Merme (Morey Saint Denis)・・・9月8日にスタートした収穫。コルトン、ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエクリュのレ・プリュリエ、シャンボール・ミュジニーから今年は始まりました。ブドウの成熟には素晴らしい夏だったけれど7月末にはすっかり水不足に陥っていたので、8月に降った雨は天の恵みのようだったと語るヴィルジニー・トプノ。ブドウは健全で暑い果皮でしたがミルランダージュした房もみられ(結実不良、凝縮感が出るためブルゴーニュでは特に好まれる傾向です)果汁はとても凝縮感があるとのこと。結果、抽出もスムースに行われておりワイン造りも順調に進んでおり質の良さにとても満足の様子です。収穫量については、「2013年のように通常よりは少ないけれど、2012年のような歴史的な低収量にはならなかったから良しとしようかな・・・」とヴィルジニー。これら2015ヴィンテージはこれから樽に移され、次は来年一月に予定している現在タンクの中の2014ヴィンテージの瓶詰めの準備に取り掛かります。

TM vdge2015 Bel Air
↑ ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ、ベレールからの眺め

TM vdge2015 Morey
↑ モレ・サン・ドニ

ドメーヌ・ローヴ最新2013ヴィンテージがワイン・アドヴォケイトで好評価

2015/10/13

アルザス、バ・ランのドメーヌ・ローヴの2013ヴィンテージがワイン・アドヴォケイトのステファン・ラインハルトのテイスティングで素晴らしいコメントを獲得しました。
(ラインハルト氏はドイツ、オーストリア、アルザス、シャンパーニュを主に担当しています)

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”エティエンヌ・ローヴはドライなアルザスワインを造る最も興味深い生産者の一人だ。ヴェストーフェンの村の周囲、合計12ヘクタールにドメーヌ・ローヴはピノ・ノワールそして古いシルヴァネールを含む伝統的なアルザスの品種を栽培しているが、土壌は色のあるマール、石灰岩や石灰砂岩などから構成されている。グラン・クリュ(アルテンベルグ・ド・ベルグビーテン)をはじめとして、西側だけ閉じている形の幅の広い谷にある南向きの日照の良い畑や北向きでも日照の恩恵を受ける素晴らしい小区画を持っている。ヴェストーフェンの村の中にグラン・クリュがない理由としてあげられる一つの点はこうだ:「この村には瓶詰めを行っているドメーヌはたったの3ドメーヌのみ、一方で協同組合へブドウを売っているのは80の農家。つまり単純にヴェストーフェンにグラン・クリュを作ろうなんていう興味が無いんだ」とエティエンヌは話す。しかしながら彼はヴェストーフェンが少なくとも村名のアペラシオン、おそらく最高の場所にあるオステンベルグまたはブリューダーバッハ、ズーセンベルグが将来的にプルミエ・クリュという格付けを獲得することを願っている”

”ローヴがすべての畑で収量を25-50ヘクトリットルに抑え、それぞれの畑で同じ方法で栽培して以来、もはやヴェストーフェンに最良の畑があることは疑いの余地はない、「あなたが試飲をするワインと、私のワインとの違いが生まれるのはテロワールの違いに過ぎない、それは栽培方法やワインの造り方から生まれるものではないんだ」とエティエンヌは強調する。ドメーヌ・ローヴはデメテールにより承認されておりエティエンヌはステンレスタンク内で全ての区画ごとに醸造、ピノ数種類はドゥミ・ミュイ(大樽)で発酵させる。彼はヴァンダンジュ・タルディヴよりもセレクション・グラン・ノーブルを生産するが、彼が言うにはVTがしばしば甘くなりがちなのに対し、SGNの方が酸度とバランスの面で興味深い点が多いのだそうだ”

2013 Alsace Riesling Grand Cru Altenberg de Bergbieten 92点
2013 Alsace Riesling Ostenberg 92点
2013 Alsace Sylvaner Vérité 90点
2013 Alsace Pinot Gris Bruderbach Le Menir 88点
2014 Alsace Pinot Noir Westhoffen 87点

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瓶詰めまでに長い時間を要した2013ヴィンテージ、そしてこの年はフランス中が天候不順に悩まされた年。ローヴでは収穫時に土壌が水分をため込んでしまったために「そり」で収穫を行った年です。「ヴィニュロンの力量が試された年だね」と語るエティエンヌ。彼が太鼓判を押すリースリングは、しっかりした酒質と生き生きした酸があり、長期熟成にも向くタイプ。特にオステンベルグは通常ならば昨年春には瓶詰めできているはずですが、このヴィンテージは発酵に大変な時間を要しました。「でも、ワイン自身が選んだ道だから待つしかないよ」と僅かに不安げだった彼も、4月の瓶詰めを終えて「素晴らしい酸と爆弾のようなボリューム感!」ととても嬉しそうに話しています。
近年続いた収穫減と、ドメーヌの人気の更なる上昇でローヴのワインは実質売る在庫が無い状況、2015年ヴィンテージ以降の収穫量の安定を期待したいものです。

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Domaine le Sang des Cailloux 収穫写真

2015/08/28

8月25日に白ブドウから収穫をスタートした、ヴァケラスのドメーヌ・ル・サン・デ・カイユから写真が届きました。
腐敗ブドウなどはなく、美しくよく熟したブドウばかり。ヴェルマンチーノ(ロール)は大粒で甘く、クレレット・ローズは酸がしっかりあります。
小さな区画に7-8種類の品種が植えられています。収穫量は30hl/ha を超えないだろう、との予測です。
午前中に収穫されたぶどうはすぐに空気圧圧縮機でプレスされ、涼しいカーブ内でデブルバージュを経て、樽へ移し変えられます。

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↑クレレット・ローズ

SDC - Serge
↑写真嫌いなセルジュ・フェリグール・・・

SDC 2015 - MAGNIFIQUE VERMENTINO
↑素晴らしいコンディションのヴェルメンティーノ

SDC - Vdge
↑セルジュの娘、フロレトそして彼女の息子さんたちも参加でのファミリー収穫です。

故ジャン・フランソワ・イザルンが遺した2013ヴィンテージ

2015/04/08

2014年春、トラクターでの作業中に命を落とし還らぬ人となってしまったボリー・ラ・ヴィタレルのジャン・フランソワ・イザルン。残念ながら彼のラスト・ヴィンテージとなった2013年の収穫を終えて彼が遺したのはこのヴィンテージに対するとてもポジティヴな見方でした。”ワインにはいつもよりとても緊張感がある、これは僕が求め続けてきたものなんだよ!”
例年より2週間遅れて9月16日に始まった収穫。1980年を想起させるような気候で、フレッシュで複雑味が感じられ、長期熟成型のワインだよとジャン・フランソワが話していた通り、ワインには果実の凝縮した甘さがありながらも、みずみずしい酸が存在しています。一方、開花時の寒さが影響しグルナッシュには花ぶるいが起き、シスト土壌では特にグルナッシュの収穫量が半分以下になってしまいました。しかしながら彼は、石灰質のテール・ブランシュや粘土珪度質の層にゴロゴロとした石の広がるレ・クレ、そして新しい白ワイン、ル・グラン・マイヨールのテロワールから生まれた2013ヴィンテージらしい”並外れたフレッシュ感と滑らかな果実感”にとても喜んでいました。
このヴィンテージの成長を見届けることができぬうちにこの世を去ることを余儀なくされたことは、彼にとって大きな心残りであったに違いありません。最後にこれほどまでに素晴らしいヴィンテージ2013を残して旅立ったジャン・フランソワの遺志は妻カティがしっかりと受け継いでいます。今年初めに開催されたサロン・ミレジム・ビオで、カティは彼女が初めて一人で向き合った2014ヴィンテージのキュヴェ・デ・シガルとテール・ブランシュを披露しました。昨年末、ワインの仕上がりをみて安堵していたものの、彼女にとってこのワインサロンは”砲火の洗礼のようなもの!”で、少なからず緊張していました。しかしながら多くの人々がジャン・フランソワの思いが反映された、以前と同じエスプリを持つワインだと同意してくれたことでまた新たなヴィンテージに立ち向かう自信を得たのです。

カティは、ジャン・フランソワの亡きあとも多くの友人たちに支えてもらいながら、仕事量の多いビオディナミによる栽培を続けてきました。ビオディナミを始めた当初から2人はこの分野の権威ピエール・マッソンによる指導を受けてきましたが、3月に彼と話し合い改めてすべてのプレパラシオン(ビオディナミに使用する調合剤)を手作りで造ることになります。”2013年は、ジャン・フランソワがデメテールの申請を忘れてしまったからラベルにはマークがついていないけど、2015年からは再び申請をするわ”とカティ。彼が無くなった直後には、”正直なところ、ビオディナミを続けていけるのか分からない”とこぼしていたものの、ジャン・フランソワの全遺志を継ぐ決意をしました。

凝縮したフルーツの驚くほどの滑らかさとフレッシュさを持つ、ボリー・ラ・ヴィタレルの2013年は、いま十分に楽しむこともできますが、長期的に熟成をさせることで偉大なワインになる可能性を大いに秘めています。

Borie 1504
l’aube au printemps 春の夜明け – Jean-François Izarn

2014ヴィンテージ・レポート Domaine Taupenot-Merme 

2015/02/09

温暖で乾燥した冬に始まった2014年。花ぶるいが起き、コート・ド・ボーヌでは大規模な雹害(ドメーヌによっては3年連続というところも・・・)に見舞われる場所もありました。幸い、トプノの畑があるオーセイ・デュレスとサンロマンの畑は雹の影響を逃れました。夏の間は湿度が高めで涼しかったものの、ブドウの生育は順調に進みました。9月に入り、北風とともに太陽が現れたことで衛生的な環境下でブドウの成熟が進み、収穫は9月17日にスタートし27日に終了。素晴らしい環境で収穫を終えることができました!
ほんの一部、酢酸腐敗に侵されたブドウも見られたため、畑そしてカーヴの選果台でしっかりと選果。ほぼたいていのブドウはとても良好で、しっかりと熟した健全でアロマティックなブドウのみがタンクへと入り、定温マセラシオンの後4~5日アルコール発酵は順調に進み、秋の始まりの暖かさからマロラクティック発酵までも連動するようにスムースに進んだのです。

結論:白ワインにはとても素晴らしいヴィンテージ!9月の日差しがもたらした見事な成熟度と酸のバランスがあり長期熟成にも向くタイプです。
赤ワインはとても凝縮した色合いで、フルーティーな香りに満ちていて、味わいにも凝縮度が高くタンニンの滑らかさと心地よさがあり、いきいきとした赤いフルーツのアロマ豊か。2014年は偉大なヴィンテージになりうる素晴らしさをしっかりと備えています。

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収穫情報 – 2014 生産者からの声

2014/12/19

2年間にわたる収穫量の伸び悩みに苦しんだフランスのワイン生産地。今年は暖かな冬に始まり、比較的涼しい夏が続きました。局地的な天候不順により影響があったものの、天候は幾分安定したことでイタリア・スペインを抜き再び2014年、フランスは世界一の収穫量を得ることが出来ました。しかしながら、今年はラングドック・ルシヨンで特に異常気象が見られました。今回は生産者から届いた収穫情報をお伝えします。

Stéphanie Fumoso /Domaine du Gour de Chaulé (Gigondas)
「収穫は9月22日にスタートし10月3日に終了、ラングドックで見られたような大雨に襲われることはなく、にわか雨はあったものの、問題なく収穫を終えることができました。醸造中だけれど、なめらかなタンニンで、2010年のような長期熟成を要すタイプではなく比較的早いうちから楽しめるワインになりそう。まだ全てのワインをデキュヴァージュできていなくて、まだやることがたくさんあって大変!!
ちなみに、2010年のマグナムを友達の家で飲んだけれど、とてもよく熟成を遂げていて驚いたわ。とても良く開いていて、スパイスやカカオ、ユーカリの複雑なニュアンスがふんだん」
★2010年の次は、チャーミングなボリューム感のある2011年のジゴンダスが登場します。2010年とは全く異なる性格ですいすいと飲めてしまうような心地よいがとても存在感のあるジゴンダスです。お楽しみに!

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Sylvie Ellul / Domaine Ellul-Ferrières (Grès de Montpellier)
「雷など荒れた天気が続いていて、骨の折れる収穫を強いられたところが多かった。大雨の前に収穫を終えたシラーはとても良く熟しており25hl/haという低収量で、肉付きが良く滑らかで果実感豊か。グルナッシュも同様に素晴らしく2013年とほぼ同じ収量、ヴァンダンジュ・タルディヴのために少し畑に残しておいて、とてもよいコンディションで房が熟していったわ」

Sophie Guiraudon / Clos de l’Anhel (Corbières)
「私が経験したミレジムの中でもベストなヴィンテージの一つ!品質はもちろん、収穫の時のコンディションが最高で、凝縮感がありバランスが良かった。普段25-30hl/haのところ今年は平均38hl/haで質・量ともに満足しているわ」

Françoise Antech / Antech (Limoux)
「2014年は夏の天候が私たちを混乱させたわ。日照不足、雨による不安定な天気がもたらした不均質な熟度のブドウによって、私たちには収穫のタイミングをどうすべきか懸念が付きまとっていた。8月末から9月25日まで、4週間に渡る手作業のみの収穫、雨が降ることなく日中の暑さと夜間の涼しさで、品質にはとても満足しています。2013年のようにきれいな酸のしっかりのったヴィンテージで良いキュヴェができるはず!しかしながらモーザックの収穫量には少しがっかりしたわ。自然の女神さまは今年、ラングドックの生産地には寛容でなかった・・・来年はもう少し量的に安定すると良いのだけれど。」

Laurent Maynadier / Ch. Champ des Soeurs (Fitou)
「今年は本当に特別な年だった・・・夏がぱっとしなくて、白ワインの酸は普段より割と強めになった。でも9月の初めから、暑さがやっと戻ってきてアロマや色素などフェノール類の熟成を促してくれたんだ」

Etienne Loew / Alsace (Westhoffen)
アルザスでは元々日本の種であるSuzukiiという蜂がブドウを食い荒らしたことで収穫量が減ったというニュースがありました。ローヴでもそのSuzukiiによる被害が夏頃から見られており、特にゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、ピノ・ノワールが影響を受けたとのこと。「でもすべて失ったわけではないから!」といつもながらポジティヴなエティエンヌ。今年はやはりここでも特別な年となったようで、暖かな冬と春がもたらした早い開花によって、比較的セパージュ・テロワールごとの熟すスピードが似通ってしまい、ピークが重なってしまったことから一斉に収穫をすることとなり、今年は収穫チームを増やさざるを得なかったそう。9月末から始まった収穫ですが好天に恵まれ順調に進み、良いブドウをしっかり選別することで素晴らしいものになりそうです!

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Jacques Sire / Domaine des Schistes (Estagel / Côtes du Roussillon Villages)
「ヴィンテージごとにそれぞれ違うのはもちろんなんだけれど、今年は”気まぐれ、いつもと逆、とかクラシックな年だけれど特異な年”と言える。気候的には、かなり極端な年だった:夏は涼しく湿気が高く、秋は驚くほどの暑さに見舞われた。暑さはブドウの成長を助けてくれてよかったのだけど、湿気の多い時期、ヴィニュロンはウドンコ病やベト病と向かい合わなくちゃならない。だからブドウ畑にちょくちょく足を運んだんだ。ドメーヌでは今ビオロジックを実践しているから、化学薬品は使わず、ボルドー液でこまめに対策を行った。
収穫の期間、雷の影響を受けることがなかったし、収量は35hl/haと平均的。白・ロゼはフローラルで比較的酸がしっかりしていて、赤はきれいなフルーツ感と柔らかなタンニンで、今のところ2013年に似た味わい。リスクは伴うけれど本物を求め、これからは赤ワインに全て自然酵母を使用してやっていく。ヴァン・ドゥー・ナチュレルは10/15頃に収穫し、しっかりと熟した健康なブドウだけを注意して選別した」

Isabelle & Vincent Goumard / Mas Cal Demoura (Terrasses du Larzac)
「我々の記憶に残るだろう、やっかいなヴィンテージとなった2014年。暖冬で普段より半分の雨しか降らず、開花が早まったけれど水不足のため成長が遅れた(5月の終わりに観測した土壌の水分量は、普段の8月の水分量と同じくらいになってしまった!)。夏は涼しく、雨がち、鬼のような9月は普段100ミリのところ350ミリの降雨があり、我々にはいつ収穫を始めるべきか、ストレスがつきまとった。幸い、ラングドック北部を襲った大雨には属さない地域にあり大きな影響を受けなかったものの、パーセルごとの状態を確認しながらの収穫の見極めは大切だったよ。ドメーヌのパッションを背負うチームが休みなく働いてくれたおかげで、結果に満足している!そして収穫したブドウを”尊重”するためにもいろいろな取り組みを行っている。2008年から取り入れた選果台、そして2010年から採用した蠕動(ぜんどう)ポンプ、今年からより大きなケースでの収穫(ブドウが潰れることなく最良のコンディションが保てる)、そしてエレベーターコンベア、収穫後のブドウの受け入れを完全にカバーをかけた状態にして雨や日照を遮る取組など・・・
そんな苦労や取組も功を奏し、今年の展開からは考えられないほどのフィネスと美しいフルーツ感を持ったワインが出来た!
今年はとりわけ、AOCテラス・デュ・ラルザックが承認されたことがうれしい出来事だった。これは我々生産者の仕事、そしてワインの品質が認められたということの証だね」

1412MCD

自然がもたらす天候に生産者は太刀打ちできませんが、より丹念な手入れや観察、収穫の見極め、そして収穫時の選別、選果や醸造方法の考察などいかにそのヴィンテージのブドウと向き合ったかで結果はより良いものになるんだと教えてくれるレポートでした。私たちは来年も生産者の活動を応援し続けていきます!