Françoise AntechさんによるLimouxセミナー2

2014/08/05

スパークリング発祥の地Limoux
「リムーのサンティレール修道院には、昔僧侶が住んでおりフルーツやチーズ、ワインを造ったり、農耕を行っていました。ある僧侶が、酔っていたのか、どうしたのか分かりませんが、間違えてまだ発酵の終わっていないワインを瓶に詰めて(当時は水瓶が存在していた)栓をしてしまいました。
そしてその数週間後、そのワインを飲もうとしてその瓶を開けてみると泡立っているのを発見しました。1531年の記録で、ブランケット・ド・リムーの記録が残っています。
これはドン・ペリニョンがシャンパーニュを発見した150年も前のもの。リムーは最も古いスパークリングワインの生産地なんです!」

リムーのテロワール・その特異性
「リムーはまずどこにあるか、これはとても重要なポイントです。スペイン接近した場所にあるフランス最南端のスパークリングワインの産地です。畑の総面積は2000ヘクタール、41の村から成ります。
リムーに雨が降ると、その水は地中海と大西洋にほぼ同量流れていきます。地理的には300キロ離れた大西洋よりも地中海(80キロ)に近いのですが、気候は大西洋性、地中海性、ピレネー山脈からの影響も受けています。
地中海側の影響を受ける東部からはアロマ豊かでフルーティーなワインが、大西洋側の影響を受ける西部からはリッチでふくよかなワインが出来ます。そして、ピレネーに近づく南側の標高の高いオート・ヴァレ地域からはフレッシュなワインが生まれ、これら3つのテロワールから育まれたワインをブレンドすることでバランス豊かなワインが生み出されるのです」

「そしてリムーの全てのブドウ畑は南向きの水はけ良い斜面にあります。リムーは特に素晴らしい白ワインを生み出す場所で、シャルドネはとくに有名です。ラングドックの最良の白ワインを生み出す場所として認知されてきていますが、シャルドネに加え、シュナン・ブラン、モーザック、ピノ・ノワールも栽培されています

ここは人口10,000の小さな村ですが、5つのアペラシオンがあります。
– Blanquette de Limoux (Methode Traditionelle)
– Blanquette Méthode Ancestrale
– Crémant de Limoux
– Limoux Blanc
– Limoux Rouge

アンテッシュでは生産量の7割以上がBlanquette de Limouxで占められています。Methode Traditionelleというのはシャンパーニュ方式と同じ、タンクでワインを醸造したのちに酵母と糖分を加え瓶内で発酵させるやり方です。
ブランケットはモーザックが主体、クレマンはシャルドネ・シュナンそしてピノノワールが入ります。ですので、ブランケット・ロゼというものは存在しません。そしてモーザックは10%までクレマンに入れることができます。リムー全体の年間生産量1000万本のうち950万本がスパークリングワインで占められています。リムーはスティルに比べスパークリングの比率が大変高いんですよ。ただ、もちろんこの数字にはヴァン・ド・ペイの生産本数は入っていません」

ブドウ品種
●モーザック
「リムーにおいてとても特徴的な品種です。世界においてリムーとガイヤック(ほんの少量)だけでしか栽培されていない貴重な品種で、グラニースミスのような青リンゴや洋ナシのような果樹園のようなフルーツを思わせる風味があります」

●シュナン・ブラン
「ロワールの品種として知られていますが、50年前からリムーに植えられました。フレッシュな酸をワインに与えてくれます。グレープフルーツなどの柑橘類が感じられるので、本当にスパークリングに最適なのです。特にクレマンで多くの割合を占めています。2013年は特にしっかりした酸ののったシュナンが出来ました、このことからリムーはスパークリングの年ともささやかれています」

●シャルドネ
「シュナンよりずっと簡単に栽培できる品種ですが欠かすことはできません。バランス感や柔らかさをワインにもたらしてくれますからね」

●ピノ・ノワール
「10%のみクレマンに加えてよい品種です。果皮を使わないことで白ワインを造ることもできますが、リムーのピノ・ノワールの赤は有名になりつつありますし、ロゼも可能です。アンテッシュでは最上キュヴェのエリタージュに、そしてクレマン・ロゼに色付けとして使われています」

造り方
「リムーのワインは大変手間のかかる作業が必要になります。プロセッコやカヴァのように、機械で収穫することはできず、全て手摘みで行わなければいけません。それから白ワインを造り、12月にアッサンブラージュをし、1月に糖分と酵母を加え蓋をします。シャンパーニュとまさに同じく一次発酵はタンクで、二次発酵は瓶内で行われガスが発生するのです」
Antech 1405-2

●熟成
「リムーの法律では、ブランケット- 最低9か月の熟成期間、クレマン-最低12ヶ月の熟成期間が設けられていますが、アンテッシュでは最低18ヶ月熟成させており、クレマンに至っては約2年間熟成させています。こうして、私たちのスパークリングワインは、他のものに比べより柔らかく深みのある味わいになるのです」
Antech 1405-3
●デゴルジュマン
最後に瓶口にたまった酵母を取り除きますが、アンテッシュはこの時にリザーヴワインと糖分を加えます。糖分と言ってもぶどうの糖分、つまりMCRという濃縮ブドウ果汁を加えています。ビーツやサトウキビを使うよりも高くつくのですが、私たちはよりブドウに近い自然な原料を使いたいという思いからMCRを使うこだわりをもっています」

フランソワーズさんから、今回初めてリムーという地域について、そして栽培から醸造まで強いこだわりをもってワイン造りに取り組むアンテッシュのやり方をじっくりと聞いているうちに、ワインを飲んでじっくりと味わいたい気分に駆られます。
そして、Disが取り扱うキュヴェについて:

★Blanquette de Limoux Cuvée Françoise NV
モーザック90% シャルドネ5% シュナン・ブラン5%
平均樹齢20-40年のブドウを手摘みで収穫、ブドウのフレッシュさを逃さないよう直ちに優しく空気圧搾、マストをステンレスタンクで7~8度に冷やします。15日から21日間の醸造を経て造られたベースワインは12月にブレンド、ティラージュを行った後、シャンパーニュ地方の製法と全く同じ方法で最低18ヶ月間(リムーの法定熟成期間は9ヶ月)、澱引きまで瓶内二次発酵させます。
白い花や柑橘類の目の覚めるようなアロマ、熟成期間を長くとることで生まれる柔らかな口当たり、ふくよかな果実味、そして心地よい柔らかな酸がとても心地よくバランスが取れています。

★Crémant de Limoux Rosé Cuvée Alliance NV
シャルドネ66% シュナン・ブラン20% モーザック10% ピノ・ノワール4%
クレマン・ド・リムーになりますので、メイン・セパージュはシャルドネになりますが、醸造方法はブランケットと変わりません。私たちは出来る限りシンプルな方法で、ブドウそのままの味わいや特徴をワインに反映できるように醸造を行います。たった4%ピノ・ノワールが加わるだけでも、こんなに美しいサーモン・ピンクと木イチゴのニュアンスを出すのです。
チェリーやストロベリーのやや甘く落ち着いた上品な香りの中に、ほのかに感じる白い花の繊細なニュアンスがあります。きめ細かい泡が心地よく、クリーンな口当たり。フレッシュなイチゴとクリームを口に含んだような果実味とまろやかさ、伸びやかで切れの良い酸味。
アペリティフやスパイシーなお料理、またはデザートと楽しむのも良いでしょう。

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フランソワーズは、各キュヴェの品質向上に力を注ぐほか、社会的責任を負う一企業としての活動にも力を入れています。2008年にはラングドック・ルシヨンで農業に携わる企業に対する「永続的発展と向上の憲章」に調印、環境に配慮した栽培はもちろんのこと、廃棄物のリサイクル、省エネにもこれまで以上に取り組んでいます。
また、彼女はラングドックの女性醸造家のグループvinifillesのメンバーの一人、地域の経済活性化のための活動やワイン生産地としてのリムーのプロモーション活動も積極的に行っています。

今後、収量を極めて低くして、シャトー・ディケムの樽で熟成させた利益度外視の新しいキュヴェについての計画などもあると嬉しそうに語るフランソワーズ。この数週間後はパートナーとともにキリマンジャロの山へ行くと張り切っている様子でした!

Françoise AntechさんによるLimouxセミナー1

2014/06/03

11月初め、リムーのメゾン・アンテッシュ社長のフランソワーズ・アンテッシュさんをお迎えしました。その時のセミナーの内容を今回はお伝えします。
収穫が終わって間もなくのタイミングだったので、2013ヴィンテージについて尋ねてみました。他の地域が苦しんだこのヴィンテージにおいてラングドックは成功をおさめており、素晴らしいヴィンテージとして各メディアで取り上げられています。そしてリムーは特に良い、歴史的なヴィンテージになるという見解が広まっているようです!

メゾン・アンテッシュは女性が主役
リムジー家によって1900年代の初めに創業したこのメゾン。土台を築き上げたのは、ウジェニー・リムジーという女性。彼女は19世紀終わりに生まれ、フィアンセを第一次世界大戦で失い、悲しみに暮れながらもラングドックで女ひとりでブドウを育てることに尽力した人物です。当時はスティルワインを生産していましたが、1931年エドモンド・アンテッシュがウジェーヌの姪にあたるマルグリットとの結婚を機に経営に参加するようになってから、スパークリングワインの生産へとシフトしていきました。エドモンドの息子、ジョルジュとロジェが、新しいセラーの建設や畑の整備、マーケティングに取り組んだことでメゾンはさらなる発展を遂げます。そして今このメゾンの6代目を担うのが、ジョルジュの娘、フランソワーズ・アンテッシュさんです。彼女は父の勧めからパリの大手化粧品会社で10年間営業として、免税店などへの販売活動をし、世界中を飛び回りました。その後リムーへ戻り父や叔父から醸造技術を学び、1990年から社長を務めています。なぜ化粧品の会社を選んだのかと尋ねると、「香水など、ラグジュアリーなものは、シャンパンに代表されるスパークリングワインと共通点がある。ここで何か学ぶことが出来ると思った」とフランソワーズさん。
彼女はその経験を生かし、マーケットのあらゆるニーズに応えるため、商品数を増やし、かつパッケージの美しさを追求するほか、ブドウの質の向上を図ってきました。現在は永続的な発展と質の向上をめざし、栽培から醸造までできる限り人工的要素を排除した自然なやり方を追求しています。そのため20年前からは、60ヘクタールの自社畑を含めリュット・レゾネによるブドウの割合を増やしてきました。2013年からはテラ・ヴィティスによる認証を取得し、契約農家に対しても厳しい管理体制を敷いています。「ビオまたはビオディナミという選択もあったけれど、リムーでビオやビオディナミを実践するというのは、本当にややこしいんです!」(シャトー・リヴ・ブランクのカリル・パンマンも同じことを言っていました・・・)そして畑の管理は、彼女のお姉さんが取り仕切ってくれているそうです。家族経営ならではのチームワーク、心強いですね。

Antech 1405

スパークリング発祥の地Limoux
「リムーのサンティレール修道院には、昔僧侶が住んでおりフルーツやチーズ、ワインを造ったり、農耕を行っていました。ある僧侶が、酔っていたのか、どうしたのか分かりませんが、間違えてまだ発酵の終わっていないワインを瓶に詰めて(当時は水瓶が存在していた)栓をしてしまいました。
そしてその数週間後、そのワインを飲もうとしてその瓶を開けてみると泡立っているのを発見しました。1531年にすでに、この僧院でブランケット・ド・リムーの記録が残されています。
これはドン・ペリニョンがシャンパーニュを発見した150年も前のもの。リムーは最も古いスパークリングワインの生産地なんです!」フランソワーズはとても誇らしげにこの偉大な功績について語ります。

リムーのテロワール・その特異性
「リムーはまずどこにあるか、これはとても重要なポイントです。スペイン接近した場所にあるフランス最南端のスパークリングワインの産地です。畑の総面積は2000ヘクタール、41の村から成ります。
リムーに雨が降ると、その水は地中海と大西洋にほぼ同量流れていきます。地理的には300キロ離れた大西洋よりも地中海(80キロ)に近いのですが、気候は大西洋性、地中海性、ピレネー山脈からの影響も受けています。
地中海側の影響を受ける東部からはアロマ豊かでフルーティーなワインが、大西洋側の影響を受ける西部からはリッチでふくよかなワインが出来ます。そして、ピレネーに近づく南側の標高の高いオート・ヴァレ地域からはフレッシュなワインが生まれ、これら3つのテロワールから育まれたワインをブレンドすることでバランス豊かなワインが生み出されるのです」

「そしてリムーの全てのブドウ畑は南向きの水はけ良い斜面にあります。リムーは特に素晴らしい白ワインを生み出す場所で、シャルドネはとくに有名です。ラングドックの最良の白ワインを生み出す場所として認知されてきていますが、シャルドネに加え、シュナン・ブラン、モーザック、ピノ・ノワールも栽培されています

ここは人口10,000の小さな村ですが、5つのアペラシオンがあります。
– Blanquette de Limoux (Methode Traditionelle)
– Blanquette Méthode Ancestrale
– Crémant de Limoux
– Limoux Blanc
– Limoux Rouge

アンテッシュでは生産量の7割以上がBlanquette de Limouxで占められています。Methode Traditionelleというのはシャンパーニュ方式と同じ、タンクでワインを醸造したのちに酵母と糖分を加え瓶内で発酵させるやり方です。
ブランケットはモーザックが主体、クレマンはシャルドネ・シュナン・ピノノワールが入ります。ブランケット・ロゼは存在しません。モーザックは10%までクレマンに入れてよい。年間の生産量1000万本のうち950万本がスパークリングワインです、スティルに比べスパークリングの比率が大変高いんですよ。もちろんこの数字にはヴァン・ド・ペイの生産本数は入っていません」

フランソワーズさんから、今回初めてリムーという地域について、そして栽培から醸造まで強いこだわりをもってワイン造りに取り組むアンテッシュのやり方をじっくりと聞くことができ、アンテッシュに対する見方がどんどん変わってきます。
ブドウ品種や、アンテッシュの各キュヴェの紹介は、次回でご紹介します!