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Domaine du Gros'Noré

ドメーヌ・デュ・グロ・ノレ

バンドールに素晴らしいドメーヌがあると、我々に教えてくれたのはプロヴァンスのとある有名シャトー。それもそのはず、1995年にアラン・パスカルがドメーヌを立ち上げる以前、ピバルノンやドメーヌ・オットというプロヴァンス屈指のドメーヌにブドウを売っていたという経緯がありました。自家消費用にはワインを造っていたものの販売用に造ることはなかったのです。
ピバルノンから1キロほどの場所、ラ・カディエール・ダズュールの丘に粘土石灰質の17ヘクタールの畑を所有し、兄弟の力を借りながらリュット・レゾネで畑仕事を行うアラン・パスカル。もともとボクサーだったという彼、しゃがれた声とがっちりとした体格で一見強面ながらも会話を始めると穏やかでおおらかな空気に包まれます。ここは地中海から数キロの場所にあり温暖で日照量の多い場所。ミストラルが年間を通して吹き付け海からの湿気を吹き飛ばすのです。またここは比較的標高が高く丘にある畑は水はけがよくブドウの栽培には最適で、アランはこの地をエレガンスとフィネスが備わるテロワールだと言います。

平均樹齢は35年、除草も兼ね年に6、7回は畑を耕し土を柔らかい状態に保ちます。腐植土を肥料として使用し、必要であれば銅と硫黄を用いるのみです。収穫にあたって、アランが大切にしているのはブドウの熟度のみならず実際ブドウを食べてみてまだフレッシュな酸が残っている状態で収穫をすること、毎年10人のメンバーと手摘みで収穫、そして選果台での選別を行いバンドールとしてふさわしい健全なブドウのみを選びます。醸造は極めてシンプルに、添加物は一切加えず天然酵母100%で10%ほど梗を残しステンレスタンクで醸造、この地方の伝統的な熟成用のフードルは約10%が新樽で平均18ヶ月間の熟成を経て無清澄、ノンフィルターで瓶詰めしますが、SO2の量もかなり少ない最低限度にとどめられており、口に含んだ瞬間にインパクトがありながらプロヴァンスの太陽をしっかりと浴びた健全でピュアな果実の風味が花開くように口いっぱいに広がります。