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Clos de l'Anhel

クロ・ド・ラネル

自身の出身、ラングドックでワイン関係の仕事を続けてきたソフィー・ギロドンはシャトー・ペシュラで出会った元夫のフィリップとともに2000年、クロ・ド・ラネルをスタート。ラネルはラングドック地方の伝統的な言葉“オクシタン”で「羊」を意味しています。そして当初、ここには羊を囲うおりがあったことからこの名を付けました。彼らの2人の息子に加えて”3人目の子供”のように大きな愛着を持ってワインを造り始めたのです。他の誰かのためではなく、自分自身の手で自分のワインを造りたかったと話すソフィ。
理想のビオトープ
クロ・ド・ラネルの畑はコルビエールの中心ラグラスにあります。ここは神秘的なアラリック山の正面に位置し、ガリーグに囲まれた自然豊かな土地です。彼女が望んで止まないのは、息子たちに「畑のブドウ、それから桑の実、ブラックチェリー、そして野ねぎも食べていいわよ!」と言える環境を作ることでした。理想のビオトープを造るため、畑の周りには200本の木が植えられ、多くの動植物を育む環境が出来上がったのです。「私の理想郷では、草や木、鳥、そして虫のいない世界はあり得ない。生命のないブドウ畑が存在することはありえないんです!」小柄なソフィが、9ヘクタールと少し大きくなったラネルを一人で切り盛りし、年を追うごとにその誠実で真摯なワインが注目を集めています。日中は強烈な日差しを浴びる彼女の畑を訪ねると、たくさんの鳥や蝶、虫が飛び交っています。そしてイノシシに大切なブドウを食べられないようにと畑に置いてあるのは、何と人間の髪の毛!これがイノシシ除けに活躍しているのです。
丹念な畑仕事がすべて 
美しい小麦色に焼けたソフィー。彼女は一日のほとんどを畑で過ごします。そして除草を兼ねて時々羊たちがブドウ畑にやってきて草を食べてくれます。現在すべてのワインはエコセールによるビオロジックの認定を受けていますが、ソフィーはビオディナミの要素も取り入れながら栽培を行っています。ソフィーの家族、そして友人たちとともに収穫するブドウの基準は「自分が食べたいと思うようなブドウ」。皆で最もきれいなものだけを摘み取り、厳しく選別します。自分の作り出すワインにフレッシュさと繊細さを追い求めるソフィはタンニンにとことんこだわり、出来る限り滑らかなタンニンを目指します。そのため特別な機械を使用し果実に傷をつけず除梗、できる限りきれいな状態で醸造に回します。そして、ブドウ本来の味わいを表現するため木樽は一切使用しません。また、フリーランジュースとプレスワインを決して混ぜず、キュヴェ・テラセットとキュヴェ・ディマンシュではフリーランのみを使用。ワインにストレスをかけないよう、重力に従い果汁を移動。瓶詰めの際にもフィルターは使わず、清澄もせず、最低限のSO2のみを加えます。