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Maison Antech

メゾン・アンテッシュ



リムーに欠かせない家族経営メゾン

メゾン・アンテッシュはラングドック地方の西の外れ、カーニバルで有名なリムーの街の中心にあります。ティセール・リムジー家によって創業したこのメゾンは、1900年代のはじめ、ウジェニー・リムジーが女性としては初めてラングドックでワイナリーの運営を担い、ブドウの品質向上に力を注ぎました。長い間スティルワインを生産していましたが、1931年にエドモンド・アンテッシュがウジェーヌの姪にあたるマルグリットとの結婚を期に経営に参加するようになってから、スパークリングワインの生産にシフトしていきます。エドモンド・アンテッシュの息子ジョルジュとロジェが、新しいセラーの建設や畑の整備、マーケティングに取り組んだことでメゾンはさらなる発展を遂げます。

フランソワーズ・アンテッシュの改革

そして今このメゾンの6代目を担うのが、フランソワーズ・アンテッシュです。彼女はパリの大手化粧品会社で約10年間のキャリアを積んだ後、生まれ育ったリムーへ戻ります。1996年より社長の座を父ジョルジュから譲り受け、パリで培った幅広い視点でメゾンの歴史と将来像を見つめ直しマーケットのあらゆるニーズに応えるため商品数を増やし、かつパッケージの美しさを追求するほか、ブドウの質の向上を図ってきました。アンテッシュは現在、家族経営の企業としては大規模と言える年間930,000本の生産量を誇り、その内訳はブランケット・ド・リムーが74%、クレマン・ド・リムーが20%、ブランケット・メトード・アンセストラルが6%です。ブドウは、長い契約関係にある30人の栽培農家から買い付けたものと、サンティレールにある60ヘクタールにも及ぶ自社畑のものを使用しています。栽培にあたっては厳格なリュット・レゾネ(減農薬農法)が用いられ、契約農家に対しても厳しい管理体制を敷いています。その全ての畑はテラ・ヴィティスの認証を取得しており栽培から醸造まで、各ブドウ品種、そしてブドウが育ったテロワールが本来所有する個性を生かすために、アンテッシュは極めてシンプルな方法を採用しています。

丁寧に手摘みされたブドウは、果実が無傷の状態で直ちに優しく空気圧搾され、マストはステンレスタンクで7~8度に冷やされます。15日から21日間の醸造を経て造られたベースワインは12月にブレンドされ、ティラージュを行った後、シャンパーニュ地方の製法と全く同じ方法で最低18ヶ月間(リムーの法定熟成期間は9ヶ月)、澱引きまで瓶内二次発酵させます。フランソワーズは年を追うごとに他の生産者よりも収穫を早め酸を残すこと、そしてドザージュの量を少なくしてブドウ本来の味わい追求しています。   

      

フランソワーズは、社会的責任を負う一企業としての活動にも力を入れています。2008年にはラングドック・ルシヨンで農業に携わる企業に対する「永続的発展と向上の憲章」に調印、環境に配慮した栽培はもちろんのこと、廃棄物のリサイクル、省エネにもこれまで以上に取り組んでいます。2020ヴィンテージからは、ビオロジック栽培をスタート。息子のバティストもドメーヌに加わり、これまで以上にエネルギーに満ちています。