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Château Martinat

シャトー・マルティナ


シャトー・マルティナは、コート・ド・ブールのほぼ中心、ランサックにあります。ちょうどここは谷のような地形をなし起伏に富んでおり、2キロほど離れたジロンド川の影響で温暖な気候と日照に恵まれています。マルティナの名前はこの場所の呼び名(リュー・ディ)で、特にメルロの栽培に適した粘土砂礫質の土壌15ヘクタールが、ブドウの十分な成熟を助け、マルティナの凝縮感あふれる肉厚のワインを生み出します。平均樹齢は40年、栽培品種の割合はメルロ60%、カベルネ・ソーヴィニョン20%とマルベック20%です。


ゼロからの挑戦
今ではすっかりコート・ド・ブールの著名シャトーの仲間入りを果たしたマルティナですが、オーナーのドーンズ夫妻は以前パリに住み、ワインとは別世界のキャリアを歩んできました。リュシーはゴルフ場の景観デザイナー、ステファンは海運業の仕事をしていました。2人ともワインが大好きで、ワイナリーの自然豊かな生活に憧れるうち、シャトー・マルティナを購入するきっかけを得て1994年、ワイン造りを始めたのです。以前の所有者も少量ながら瓶詰めを行っていましたが、設備の面では全くと言っていいほど整っていませんでした。設備を整えるのはもちろんのこと、その他でも骨の折れる仕事が実に多いことに苦労しますが、芽かきやグリーンハーベスト(摘果)など基本的な作業を丁寧に行うことの重要さに改めて気づきます。


収穫はもちろん手摘み、シャトー・マルティナのラベルを冠するワインは、パーセルごとに最良のものを選りすぐって醸造に回されます。ブドウ栽培から、製品を生み出すまで、すべての段階に情熱と愛情を注ぐ2人のワインはたちまち多くのワイン評論家やメディアが飛びつくほどの人気になりました。2人は上級キュヴェの新樽100%で仕込んだエピキュリア、プルミエール・コート・ド・ブライのワインも生産していますが、ステファンに会うたびに彼がいつも言うことは、「我々にとって一番大切なのはマルティナ。良いブドウを栽培して、このワインの品質を毎年良いものにしなければならない」ということです。気候が不安定だった2013年は、品質に満足いかず、結局生産をあきらめたほどです。

16年間一緒に働いたオノログを変え、今彼らが目指しているのは、よりはっきりとテロワールを表現すること。醸造時の温度を上げすぎないようにしたり、ルモンタージュの回数を減らすなど、より穏やかな抽出方法に切り替えており、今後ますます洗練味が加わっていくことでしょう。