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Domaine Le Sang des Cailloux

ドメーヌ・ル・サン・デ・カイユ

 ”石の血”という名のドメーヌ・ル・サン・デ・カイユ。このヴァケラスを代表するドメーヌは1990年からセルジュ・フェリグールによって運営されています。たくましい口髭と研究者のような青い服がトレードマークで、一見気難しい性格に見えるものの、質問を投げかければ投げかけるほど熱心に優しく答えてくれます。もともとサン・デ・カイユは1975年にリカール家が始めたドメーヌです。もともと野菜や果物を栽培する農家に生まれたセルジュは、1974年にモンペリエで醸造学を修めた後、ネゴシアンで働きますが、ブドウと土に触れたいという思いから1979年にリカール家のもとでワイン造りを始めます。後継者のいなかったリカール氏は1982年に彼に共同出資を提案、そして1990年セルジュはオーナーとなりドメーヌに新たな息吹を吹き込みます。ちょうどこの年、彼の就任を祝うようにヴァケラスはAOCに昇格しました。2001年には醸造所を増設、小さな容量のコンクリートタンクを多数備え、区画、品種ごとにコントロールしながら醸造することが可能になり、彼の求めるワインを造るためのよりよい環境が整ったのです。   
  
17ヘクタールの畑はヴァケラスの中でも暑いガリーグ地区にあり、土壌は赤い粘土石灰質で丸い石が転がっています。ここはもともと痩せた土地のため自然と収量が落ち、ワインに凝縮感が生まれます。平均樹齢は35年。所有する畑の7ヘクタールは65年以上のグルナッシュの古木が占め、素晴らしいキュヴェ・ド・ロピが造られます。また、年間約3千本のみ生産される白は1ヘクタールの畑の5つの品種から造られます。さらに、興味深いのがドメーヌの定番キュヴェです。このキュヴェ名は毎年名前が変わり、その名前はセルジュの3人の娘、ドゥシネロ・アザライス・フルレトの名前が付けられるのです。            
セルジュがオーナーとなってすぐ1991年から、環境と土壌に配慮し畑は管理されています。土壌と葉の分析を定期的に行い、不足する要素を補充、2000年以降は牛糞とブドウの搾りかすからなる有機肥料のみを使用しています。2007年からはビオディナミによる栽培を始め2009年にBiodyvin(フランスのビオディナミ団体)に加盟。質の高いワインを造り出すための努力を惜しまず、芽かきやグリーンハーベストなどの作業を熱心に行い、特に白ブドウは1枝につき1房しか残さないという徹底ぶりです。収穫も選果作業を行いながら、すべて手作業で行います。醸造は天然酵母のみを使用し自然と始まります。使用するコンクリートタンクは容量別に数十個備えられており、これによりパーセルごとに醸造することが可能です。14~20日間続く発酵期間中、ルモンタージュやデレスタージュを行います。キュヴェ・ド・ロピはフードル(450L)の2~3年使用樽で約1年、キュヴェ・フルレト(ドゥシネロ・アザライス)は45hlの大樽で最低6ヶ月熟成させます。赤ワインはノン・コラージュ(無清澄)、ノン・フィルターで瓶詰されます。